社会
Posted on 2022年09月18日 17:58

甥の織田信長に逆さ磔にされ「必ず因果の報いを!」絶叫した悲運の女城主

2022年09月18日 17:58

 その美貌ゆえにたびたび政略結婚の犠牲になり、最期は磔(はりつけ)に処された、悲劇の女城主がいる。

 女城主といえば、NHK大河ドラマの主人公・井伊直虎が有名だが、血筋から言えば、はるかに格上なのが、織田信定の娘で、信秀の妹。年下だが、あの織田信長の叔母にあたる、おつやの方と呼ばれる人物である。

 おつやの方は、東美濃の遠山氏の宗家・遠山景任に嫁いだとされているが、その前に二度、結婚している。

 最初の相手は、結城(岐阜県安八町)城主の文日比野清実。美濃の斉藤龍興の重臣だったが、永禄4年(1561年)の「森辺の戦い」で戦死した。この時、おつやの方は18歳。

 その後、信長の命令で、信長配下の武将と再婚したが、二度目の夫も戦士したという。

 三度目の結婚相手だった遠山景任は、元亀3年8月14日(1572年9月21日)、子供がないまま病死してしまう。

 結婚運に見放されたおつやの方だが、信長はこれを領地拡大の好機と捉え、五男・御坊丸を岩村遠山氏の後継として送り込んだ。義母となったおつやの方は、事実上の岩村城主とした。

 だが、天下を狙う甲斐の武田信玄が上洛のため、西上作戦を開始。岩村城は信玄配下・秋山虎繁の軍勢に取り囲まれてしまう。城主としておつやの方は領民たちと3カ月間籠城し、信長の援護を待った。

 そんな折り、おつやの方の美貌を知った秋山虎繁から「俺と結婚すれば、岩村城にこもる者たちを助命する」という仰天の和睦条件が突きつけられる。

 当時、信長は長島の一向一揆衆に道を阻まれており、援軍は望めない状態。そのため、おつやの方は条件を受け入れて岩村城を開城し、武田家の軍門に下った。

 元亀4年(1573年)、おつやの方と秋山虎繁との婚姻が行われ、養子の御坊丸は人質として甲斐に送られた。

 だが天正3年(1575年)、織田・徳川連合軍は長篠の戦いで武田勝頼の軍勢を破ると、配下の織田信忠らが岩村城を包囲した。

 籠城していた秋山虎繁らは助命を条件に降伏したが、非道で知られる信長が許すわけがない。赦免の参礼に来たところを捕らえて、岐阜城近くの長良川の河原へ連行。そこでおつやの方ともども、逆さ磔の極刑となった。

 その際、おつやの方は嘆き悲しみ、「叔母にこのような非道の処置をすれば、必ず因果の報いを受ける」と絶叫しつつ、果てたという。46年の生涯だった。

(道嶋慶)

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