社会
Posted on 2022年09月27日 09:58

落ちてきた雷の中の雷神を刀で斬った!「生涯37戦」戦国武将の生涯

2022年09月27日 09:58

 落雷を受けて半身不随になりながら、その後は輿に乗って戦場を駆け巡った──。

 そう伝えられる、戦国時代から安土桃山時代の武将がいる。戸次鑑連(とつぎ・あきつら)、またの名を立花道雪という。「鬼道雪」とも呼ばれた名将だ。

 永正10年(1513年)、豊後(今の大分)の戦国大名・大友氏の一族で、鎧岳城主・戸次親家の次男として生まれた。元服前の14歳の時、2000人の兵を率いて初陣を果たし、倍以上の兵力を誇る大内軍に勝利したという。まさに、戦の鬼だ。

 父の死に伴い家督を相続し、その後は主家・大友家の重臣として、戦いに明け暮れた。

 中国地方の覇者・毛利元就との合戦では10年以上も大友軍の先頭に立って戦い、筑前と博多を防衛。その功績で元亀2年(1571年)、北九州地区の軍事権を与えられて筑前守護代に就任し、博多の立花家の名跡も継承、立花山城城主となった。そして出家後、法号として、道雪を名乗るようになったのである。

「大友興廃記」などによると、落雷を受けたのは35歳の時だったとされている。

 炎天下で昼寝をしていた際、急な夕立があり、雷が体全体に落ちようとしていた。その雷を、枕元に立てかけていた刀「千鳥」で斬って飛び退いたのだという。

 だが「千鳥」が避雷針となり、体に伝わった雷で左足が動かなくなってしまった。

 雷の中にいた雷神を、持っていた刀で斬り伏せたとされるが、雷に当たった印が残る「千鳥」は「雷切」と呼ばれるようになった。

 半身不随にはなったが、その後は生涯37回ともいわれる戦いでも、意欲はまったく衰えなかった。

 6人に担がせた輿に乗りながら、「雷切」「備前清光」という銘の長刀と鉄砲、そして長さ約1メートルの棒を横に置き、時には自らかけ声をかけて、敵陣に突っ込んでいったという。

 だが「鬼道雪」も、年齢には勝てなかった。天正13年(1585年)、柳川城攻めの最中に病気となり、看病のかいもなく、73歳で没した。

「道雪」の由来は「道に落ちた雪は消えるまで場所を変えない」=「武士は死ぬまで説を曲げない」から来ているという。

 まさに武士の中の武士だった。

(道嶋慶)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク