ところで、多田氏が経験した有名人たちとの〝刑務所交遊〟は伊藤受刑者だけではないという。
「94年だったか、栃木県の黒羽刑務所でな、俳優のSKに会ったんだ。SKはチョーエキたちからいじめられててよ、『もうシャブなんかやんじゃねえぞ!』と、言えた義理じゃねえヤツラから凄まれたりして、俺と会うまでは誰とも口をきかなかったってね。だから夕食を終えて18時になると、布団を顎の下まで完全にかけて周りを無視するようにとっとと寝ちゃうんだよ」
SKといえば、大麻や覚醒剤の事犯で何度も逮捕歴がある。94年頃といえば、初めて実刑判決を受けた時期と符合する。
多田氏とSKはなんと、初めて会ってから10年ほど経過した05年頃、別の刑務所で再会するという笑えない縁で結ばれていたという。
現在、伊藤リオン受刑者が服役しているという北関東の刑務所だ。「『多田さん、またパクられたの?』なんて聞きやがるから、『お前だってパクられたんだろうが』と言ってやったよ(笑)」
他の受刑者には心を開かなかったSKだが、多田氏とは大いに交流を深めたというのである。昨年には、3度目の再会も果たしているそうだ。
「『女運がない』と話してたな。SKが逮捕されちゃうのは、女のチンコロ(密告)ばっかりだってよ。去年また逮捕されたけど、チンコロで麻取(麻薬取締官)につけられていたんだと。だからカバンを落とした瞬間に声をかけられて中身を確認されたそうだ。服役中にSKの父親が亡くなったこともあったな。親兄弟が亡くなると工場を休むから、すぐわかるんだ。何百坪もの土地が遺されたようで、『姉ちゃんとモメるのは嫌だな』なんてことまで話してくれたよ」
SKはかつてデビュー曲を大ヒットさせた歌手でもある。多田氏は何度か生歌を聴かせてもらったという。
「刑務所でも月2回は講堂で自由時間がある。図書の集まりで1回だけカラオケを披露してくれたよ。だけど、他にも14~15人ほどいたのに、みんな冷ややかだったね。ひねくれた人間の集まりだからな。あと刑務所を出たあと、うちに遊びに来てくれた時もある。今、行ってる懲役の前だよ。あの時は朝、ニワトリが鳴くまで寝ずに歌い続けてくれたな。まさか何かが効いてたんじゃ‥‥」
歌を聴かせてもらったからだけではなく、SKの芸能人としてのプロ意識には感服したと、多田氏は続けた。
「本来は禁止なんだけど、俺は食べ物の好き嫌いが多いから、よく食事をSKに分けてたんだ。正月にお菓子が出た時には、先に食って寝てるSKに『Kちゃん、口開けな』って放り込んでやったこともある。貪るように食べてたな。それでも出所3カ月ほど前になると、『そろそろ近いので‥‥』と体型を気にして1日1食しか食べなくなった。さすがは天下のSKだったな」
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