スポーツ

日本名輪会・山口健治「江戸鷹の目診断」太田が平原に肉薄するシーンも十分

「高松記念」◎平原康多/○太田竜馬/▲山田久徳/△山口拳矢

 番手の役目を果たしながら、最後にチョイ差しを決めるのが仕事師である。

 師走の記念初戦「高松記念」(12月3日【土】~6日【火】)は、各地区にスピード自慢の機動型と実績を誇る追い込み選手がそろい、ライン戦は必至。さらに一発にかけるまくり選手も侮れない。波乱の余地も十分ある4日間になりそうだ。

 平原康多が巧みにレースをコントロールし、今年5度目の記念Vを飾る。関東は吉澤純平─平原─宿口陽一と鉄壁の並びで、平原が直線抜け出しを決める。

 中四国で結束する地元ラインの番手、太田竜馬が19年以来の優勝を狙う。先頭で石原颯が風を切り、3番手を岩津裕介が固める。絶好の2段駆けから平原に肉薄するシーンも十分ある。

 あとは、前回覇者の山田久徳の連覇と、山口拳矢のまくり一撃とみた。

 近畿きっての仕事師、南修二がおとなしくしているはずがない。前々走の地元戦の初日特選で失格したのも、闘争心にスイッチが入ったから。ここは稲川翔と“大阪のファイター”の2枚看板。どちらが山田の後位になってもガッチリブロック。チャンスが回ってくれば、まくりが炸裂する。

 印は回らなかったが、競輪祭を欠場した宿口は来年1班に戻る。SS班のプレッシャーから解放されて伸び伸びと走れるだけに、京王閣記念Vの再現もある。

【大穴この1車】松谷秀幸(神奈川・96期)。

 今年は3度の落車があり、あまり調子がいいとは言えないが、それでも欠場明けの親王牌(〈6〉〈2〉〈4〉〈3〉)最終日に13万2330円を演出し、穴党を喜ばせた。記念は9月青森(〈2〉〈1〉〈6〉〈3〉)の2走目と最終日が1万円超。4月には地元の川崎記念(〈1〉〈1〉〈2〉〈8〉【1】【1】【2】●【8】(●は決勝レースの着順))の2日目に2万円超を出している。1着はいらない。レース巧者のマーク流れ込み2、3着を追いかけてみたい。

【狙い目の伏兵3人】

 地元の上野雅彦(香川・119期)は、1月に行われた前回のここで1勝。競走は粗削りだが、よく2着に粘っている。1次予選を勝ち上がり、師匠の福島武士(1班)の前で戦うのが目標になる。

 121期を早期卒業した太田海也(岡山)が、いよいよ9車戦に初登場する。ナショナルチームの一員でもあり、8月の特昇からまだ3場所目。予選には中堅、古参のつわものが待ち受けている。その真価を問われる4日間になる。

 近畿の若手先行として着実に力をつけてきたのが中釜章成(大阪・113期)だ。先手を取れば粘る。

山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
2
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
3
「コーチに無断でフォーム改造⇒大失敗」2軍のドン底に沈んだ阪神・湯浅京己のボコボコ地獄
4
フジテレビ・井上清華アナ「治らない顎関節症」と「致死量ストレス」の不穏な関係
5
【大騒動】楽天・田中将大が投げられない!術後「容体不良説」も出た「斎藤佑樹との立場逆転」