天皇賞・春から続くGⅠ7連戦の掉尾を飾る宝塚記念。昨年までは前半戦最後のビッグイベントとして、6月の4週目に行われることが多かったが、今年は施行時期が2週早まり、安田記念の翌週に開催されることになった。
顔ぶれを見ると、大阪杯を連覇し、満を持して臨むベラジオオペラ、その大阪杯で惜しくも2着に敗れたロードデルレイを筆頭として、有馬記念勝ち以来になる女傑レガレイラ、昨年の菊花賞馬アーバンシック、そしてジャスティンパレス(天皇賞・春)、ソールオリエンス(皐月賞)、ドゥレッツァ(菊花賞)といったGⅠ勝ち馬のほか、GⅠで好走実績のある力量確かな馬や伏兵陣も多彩。見応え満点の豪華メンバーがそろい“関西版グランプリ”にふさわしい戦いが繰り広げられそうだ。
まずはデータを見てみよう。03年に馬単が導入されて以降の過去22年間、その馬単による万馬券は7回(馬連で3回)。この間、1番人気馬は6勝(2着3回)。2番人気馬は4勝(2着3回)。1、2番人気馬によるワンツー決着はわずか1回。大きく荒れるケースは少ないものの、必ずしも人気勢が期待に応えるわけではない中穴傾向。馬券的にもおもしろいGⅠ戦と言っていいだろう。 年齢的には充実ぶりが目立つ4歳、5歳馬がやはり強い。過去22年間で4歳馬が10勝(2着5回)、5歳馬は9勝(2着10回)と、他の世代を圧倒している。
そして牝馬の活躍も目立っている。スイープトウショウ(05年)、マリアライト(16年)、リスグラシュー(19年)、クロノジェネシス(20年、21年)と、過去22年で5勝を挙げており、2着も4回ある。今年は6カ月ぶりのレースになるレガレイラのみだが、要注意ということだ。
もろもろ考慮して勝ち馬を浮かび上がらせたいが、人気、有力どころの力量にそう大きな開きがあるとは思えず、難解で悩ましい。
本来なら大阪杯の1、2着馬のいずれかから入るのが馬券の筋だろうが、混戦とみた以上、穴党としては、人気薄のヨーホーレイクに期待を寄せてみたい。
すでに7歳で年齢的にはデータに反するが、前走の大阪杯では最速の上がり脚を使っての3着。どちらかと言うと前残りの比較的緩い流れの中、15頭立ての14番手の追走からよくぞ3着まで押し上げたというのが正直な感想である。今回は休み明けを使われて3戦目。良化の余地は十分と判断できたので主力に推してみた。
また、7歳といっても、明け4歳時から屈腱炎のため2年2カ月ものブランクがあり、デビュー後、4年近くの休養期間がある。年は取っているものの酷使されておらず、肉体的にはかなり若い。実際、厩舎関係者は「ここにきて、とても元気。稽古の動きはハツラツとして躍動感たっぷり。今までで最も状態がいいのではないか」と“絶好調”を強調するほどだ。
一族、近親にはジェネラス(英・愛ダービー)のほか、活躍馬が実に多くいる良血。この馬自身も故障がちの体でありながら、前々走の京都記念など3つの重賞を制している。力があればこそで、大きく狙ってみたい。
相手の筆頭は、大阪杯2着のロードデルレイだ。安定感はメンバー中随一で、この中間も順調そのもの。こちらも名牝グロリアスソング(GⅠ4勝)の流れを汲む良血。大勢逆転の可能性も十分ある。