渡辺 正直、狙いとしては無念ですけど、現時点での本命はマスカレードボールにします。横山武騎手が記者会見で「中山は向かないと思う」と発言して、予想家の誰もが「ダービーで買いたい」と言っていた。それを聞いて「皐月賞で絶対に買おう」と思ったんですよ。みんなが嫌っているからこそ、妙味があると思って。馬券は外しましたけど今回は人気沸騰ですよ。それを買わなければいけないのがね、ホントつらい。
田中 ちょっと待ってください。これは“ワナ”かもしれませんよ。ダービーでは来るっていうのが。
渡辺 いや、前走がワナだったんですよ。でも、今回は過剰人気になるから「人気なら買いたくない」という人も多いと思うんです。でも、来ちゃうんですね。まさに世論との戦いです。
田中 なんか陰謀論みたいですね(笑)。
渡辺 もう陰謀論と戦う以外ないんですよ。でないと堅い予想になっちゃう。
田中 じゃあ、1ついいですか。共同通信社杯の勝ち馬は、01年のジャングルポケット以来、ダービーでは1着に来てないんです。
水戸 特別、決め手があるとは思えないけど、この馬も東京では2戦2勝。母の半姉にコイウタ(ヴィクトリアM)がいるように、この血統は意外と善戦しているから軽視はできない。
渡辺 皐月賞は後ろからの競馬になりましたけど、前に行っても脚が使えるし、そろそろ坂井瑠騎手はダービージョッキーにならないといかんでしょ。何せ“世界の坂井”なんですから。
水戸 そうだな。馬券になっても何ら不思議はない。で、みっちゃんは共同通信社杯のデータから消し?
田中 いや、待ってください。私、ワナ、ワナって言ってますけど、買わないとは言ってないです。キャプテンさんの意見と同じで、一番最初に予想した時は本命候補でした。だって来ない理由のほうが少ないですから。“マスボ”最高じゃん、みたいな(笑)。
渡辺 じゃあ、この馬が紐筆頭の女優印だ。
田中 いえ、心の本命は3戦3勝のファンダムにしようと決めているんです。毎日杯は上がり32.5の脚で他の馬が止まって見えましたからね。まだキャリアが浅くてひ弱な印象も受けますけど、ポジティブに言いかえれば、まだ底を見せていないんじゃないかと。
渡辺 距離がどうかだけですよね。毎日杯の時、1800メートルですら大丈夫かって言われていましたから。
水戸 父サートゥルナーリアの母シーザリオはオークスとアメリカンオークスを勝っていて、近親には活躍馬が少なくない。距離が延びても走れる血統構成だから大丈夫でしょう。
田中 ダービーは末脚勝負だと思っていて、前走と同じ脚が使えたら─。
渡辺 それは勝ち負けですよ。だけど、府中は初めてだし、2000メートルの経験もないというのがね‥‥。
水戸正晴:サンケイスポーツ記者。競馬記者歴は51年目。昨年の「有馬記念座談会」では、10番人気のシャフリヤールを本命視して馬連2万470円を★◎でズバリ。週刊アサヒ芸能「『絶対万券』論」を執筆中。
田中道子:女優。競馬歴は10年目。大穴党の豪快な馬券術で“バチコン姉さん”の異名を持つ。昨年4月にJ3アスルクラロ沼津のFW川又堅碁選手と結婚。現在、妊娠中で初夏に出産を予定している。
キャプテン渡辺:ピン芸人。競馬歴は30年目。点数を絞った買い目が好評。テレビ東京「ウイニング競馬」に出演する他、ユーチューブ「くず競馬チャンネル」(毎週土曜)では、日曜の重賞予想を配信中。