社会
Posted on 2023年01月02日 17:58

天武天皇を即位させた「偵察と奇襲」のスペシャリスト/実在した「忍者」の禁断秘史(5)

2023年01月02日 17:58

 多胡弥(たこや)という忍者がいる。その名は延宝四年(1676年)に編纂された「萬川」に見ることができるが、彼は大海人皇子、のちの天武天皇に仕えた忍者だった。詳細は伝わっていない。

 天武天皇元年(672年)、天智天皇の皇弟・大海人皇子と天智天皇の太子・大友皇子(弘文天皇)の皇位継承争いが勃発した。古代史上最大の内乱と呼ばれる、壬申の乱である。

 壬申の乱は先制攻撃を仕かけた大海人皇子側が勝利した。この戦いで、大友皇子が山城国愛宕郡の城に籠城したことがあった。籠城した相手を攻めるためには、その何倍もの兵力を擁する。だが当然、戦力だけではなく、戦略も必要となってくる。

 大海人皇子はその戦略的なアドバイスを当時、来日していた中国人に求めたという話がある。その中国人は、戦いを始める前の偵察の重要性を指摘したという。偵察といえば、忍び=忍者と相場が決まっている。

 前半生が謎に包まれている大海人皇子=天武天皇だが、「日本書紀」に「天文遁甲を能くしたまえり」という記述がある。「天文」は占星術のことで、「遁甲」は忍術だ。自らも忍術の修行をしたと思われる天武天皇は当然、忍者のネットワークを持っていたに違いない。そのネットワークを利用して頼ったのが、今の奈良県に住んでいたといわれる多胡弥だった。

 多胡弥は偵察だけではなく、敵の攪乱、夜討ちなどの奇襲も得意としていた。大友皇子が籠城した愛宕郡の城攻めの際、多胡弥は城に潜入し、中から放火活動を行った。そして火の手が上がったのをきっかけに正規軍が外から攻撃し、落城させたという。

「天皇」を初めて称号し、「日本」を国号とした最初の天皇と呼ばれる天武天皇=大海人皇子を即位させたのは、名もなき忍者のバックアップがあったからかもしれない。

(道嶋慶)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    芸能
    2022年07月05日 17:58

    可愛さ余って憎さ百倍。いやはや、この2人のバトルは本当にすさまじかった。沢口靖子が主演したNHK連続テレビ小説「澪つくし」や、渡辺謙主演の大河ドラマ「独眼竜正宗」の脚本を手掛け、飛ぶ鳥を落とす勢いだった脚本家のジェームス三木氏。ところが19...

    記事全文を読む→
    芸能
    2026年07月31日 06:45

    堺雅人主演ドラマ「VIVANT」(TBS系)が3年ぶりの続編でも、圧倒的な存在感を放っている。第2シーズンの初回放送は、平均世帯視聴率18.8%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録。放送中にはXで世界トレンド1位になった。前作は2023年...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    芸能
    2026年08月06日 17:00

    2024年7月に停車中のロケバス内で共演者の女性に性的暴行をしたとして、不同意性交と不同意わいせつの罪に問われたのは、元お笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二被告だ。その第6回公判が8月5日に東京地裁で開かれ、検察側は懲役7年を求刑。...

    記事全文を読む→
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/8/4発売
    ■690円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク