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日本名輪会・山口健治「江戸鷹の目診断」3億円レーサー脇本の4連勝濃厚!

「豊橋記念」◎脇本雄太/○古性優作/▲松浦悠士/△守澤太志/村上博幸/岩津裕介/浅井康太/和田真久留/野口裕史/坂井洋/橋本優己/山口拳矢

 徹底先行同士による叩き合いは、勝負の行方とともにバンクを沸かせる競輪の華でもある。

「豊橋記念」(1月26日【木】~29日【日】)には、対戦相手も展開も不問の断然の主役がいる。無理に穴を狙うより、買い目を絞るほうが賢い車券戦術と言えそうだ。

 絶対王者の脇本雄太には逆らえそうにない。平塚グランプリを制して初の3億円レーサーになり、前走の和歌山記念を完全V。古性優作との黄金コンビで前受けからまくり一閃。圧巻の4連勝濃厚とみた。

 グランプリ(〈2〉)と和歌山記念(〈2〉〈1〉〈1〉〈2〉)で、古性が先着を許したのは脇本だけだった。GI初制覇となった21年のオールスターは脇本を差してのもの。脇本が早仕掛けになれば、わずかだが逆転もある。

 戦法多彩な松浦悠士と、単騎でも差し脚鋭い守澤太志は2、3着候補だ。

 中部期待の若手機動型、橋本優己が待望の1班に昇班した。11月の四日市記念(〈2〉〈2〉〈3〉〈9〉)決勝戦では、ただ1人の2班選手として浅井(〈2〉)に前を任され、勝った守澤、古性(〈5〉)、坂井洋(〈7〉)の強さを体感した。今回も勝ち上がれば積極策で浅井を引っ張り、バンクを沸かせる。

 橋本とマッチアップすれば、壮絶な叩き合いを演じそうなのが野口裕史だ。現在39歳だが戦法は逃げ一手。見せ場は作る。

【大穴この1車】

 久木原洋(埼玉・97期)。

 前々走の西武園(〈1〉〈3〉〈3〉)決勝戦の1万円超は番手戦だったが、グレード戦では先行で戦うことが多い。12月広島記念(〈7〉〈2〉〈4〉〈3〉)の最終日2万9330円はまくり。9月向日町記念(〈1〉〈3〉〈4〉〈4〉)の2次予選では、ジャン先行で4万9680円の高配当を演出した。

 6月GIII松戸(〈4〉〈1〉〈2〉〈4〉)の2日目、GIでは8月西武園AS(〈9〉〈6〉〈1〉未〈5〉)の3走目でともに勝利を収めて1万円超を提供しているが、2、3着で手広く網を張るのが正解だろう。

【狙い目の伏兵3人】

 藤井侑吾(愛知・115期)は1班だった昨年前半、記念でよく準決勝に乗っていた。先手を取れば、前残りがある。

 橋本優己と同い年の23歳で岐阜の先輩でもある山田諒(113期)が奮起する。2年間1班に在籍し、GIを4度経験している。初戦を勝って勢いに乗りたい。

 道場晃規(静岡・117期)は、前走の松戸(〈1〉〈4〉〈3〉)初日を中団につけて抜け出しているように、自在性を身につけてきている。ここは1次予選突破が目標だ。

山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

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