政治
Posted on 2023年02月18日 09:59

中国「スパイ気球」全真相(3)習近平は「寝耳に水」だった!「アメリカ向けは打ち上げ中断」指示が伝わらず…

2023年02月18日 09:59

「習近平自身は、スパイ気球がアメリカに向かっていることを知らなかったのでは!?」

 中国のスパイ気球による領空侵犯、主権侵害が世界的な批判を浴びる中、アメリカの情報当局を中心に、こんな驚くべき憶測が広がり始めている。

 というのも、スパイ気球がアメリカに向かって飛行していたまさにその時期、米中の関係改善に向けたブリンケン国務長官の訪中日程が詰めの段階を迎えていたからだ。結局、2月上旬に予定されていたブリンケン長官の訪中は延期となったが、習近平国家主席自身も、訪中延期という事態は望んでいなかったとされている。

 ではなぜ、外交上、極めて慎重な対応を要するこの時期に、中国のスパイ気球がアメリカに飛来する事態となったのか。習近平政権の内情に詳しい国際政治学者は、

「確かに、習近平がスパイ気球を巡る一連の事態を把握していなかったフシはある」

 こう指摘した上で、この間、習近平政権下で起きていた可能性のある「2つの大暴走」について、次のように明かしたのである。

「習近平政権内には『余計なことをすれば粛清される』という恐怖感が蔓延しています。この点は習近平指導部以下、外交部と人民解放軍においてもしかり。習近平自身は『ブリンケン長官の訪中を目前に控えた今、スパイ気球の打ち上げは中断した方がいい』と考えていたが、習近平の命令は指導部から外交部、外交部から人民解放軍へと伝わらず、人民解放軍はこれまで通り、スパイ気球を打ち上げ続けた。これが第一の大暴走説です」

 まさに「雉も鳴かずば撃たれまい」を地で行く話だ。国際政治学者が続ける。

「さらに、習近平政権下では『余計なことはしないが、与えられた仕事は人一倍頑張る』という出世競争が激化している。要は、習近平に対する忠誠争いです。今回の一件で言えば、これまで世界40カ国以上の上空にスパイ気球を飛来させてきた人民解放軍は、習近平のホンネを知らされぬまま、自分たちの出世と予算の分捕りを目指して、むしろ意欲的にアメリカに向けてスパイ気球を打ち上げ続けた。これが第二の大暴走説です」

 その結果、習近平も「寝耳に水」の大トラブルが勃発したというのだ。

 いずれにせよ、問題の根は独裁者による強権支配にある。今回のスパイ気球事件で明らかになったのは、習近平が危うい「裸の王様」になりつつあるという現実だ。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク