社会
Posted on 2023年02月27日 09:55

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<ぎっくり腰>物を拾う時の姿勢が予防のポイント!

2023年02月27日 09:55

 国内で3000万人ものの患者が悩まされているという「腰痛」。突然腰が痛くなり、動けなくなってしまうのが「ぎっくり腰」だ。正式には「急性腰痛」と言われ、西洋では急激に痛みが生じることから「魔女の一撃」と呼ぶこともある。

「ぎっくり腰」は様々なきっかけで発症する。例えば、重い物を持った時、洗顔後に顔を上げた時、靴下を履こうと身を屈めた瞬間など、些細なきっかけで起きるケースも多いので注意が必要だ。

 特に、まだ寒い時期に気をつけたいのが「腰の血行不良」による「ぎっくり腰」だ。寒さによる血行不良で、骨盤まわりの筋肉は硬くなってしまう。そのため、腰の筋肉の柔軟性が低下して筋膜などに痛みを発症するのだ。発症すると、2~3日は激痛で動くのもままならない状態が続き、その後徐々に痛みが軽くなり、1~2週間ほどで自然に回復していく。

「ぎっくり腰」は、一度発症すると癖になってしまい、何回でも発症するのがやっかいな点だ。予防で重要なのが姿勢を見直すこと。最も「ぎっくり腰」になりやすい姿勢は「腰を曲げる姿勢」。

 前述したように足元の物を拾う時など、日常的にこの姿勢を取らなければならないシーンは多い。しかし、腰を曲げずに、膝を曲げて腰を下ろし、屈んで作業することで回避は可能だ。

 少し億劫に感じるかもしれないが、この姿勢だと腰にかかる負担を大きく軽減することができる。

 腰まわりを温めることも有効だ。例えば、入浴はシャワーだけで済まさずに、42度程度の湯船にゆっくり浸かることがポイント。体の芯から温まり、腰の血行が促進され、筋肉をほぐすことができるのだ。この方法は、ぎっくり腰だけでなく、腰痛全般の改善にも適応できる。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/6/24発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク