芸能

ピンク・レディー 「モンスター神話」の真実(6)再結成で全国が踊り熱狂した

20140807k

 70年代のトップアイドルは平均睡眠3時間が相場だったが、ピンクに至っては1時間程度とされた。3カ月に1枚のシングルに振付けのレッスンも入り、毎日の歌番組にCM、雑誌の撮影、そして週末には地方コンサートが待ち受ける。

 天馬は同じ事務所の後輩という形で地方コンサートにも出演させてもらった。

「空港からすぐに会場に移動。車の窓はカーテンでふさぎ、会場から一歩も出ないから太陽を浴びていないんです。時間の感覚も土地の感覚もまったくなかったと思います」

 それほど過酷な日程でありながら、あんなに激しい振付けを完全にマスターしていることに何度も驚かされた。そして79年に2人はアメリカ進出を果たし、逆にそのことで人気が急降下‥‥。天馬は、同じ事務所の一員として気持ちは理解できた。

「世界に通用するスターを育てたいというのが相馬さんの夢でしたから」

 飯田は、やはりレコード会社とプロダクションとの行き違いはあると思った。

「どこかですれ違ってしまうのは致し方ないこと。人気が下火になって、ピンクの路線を変えたらという声もありましたけど、僕は最後までピンクは『おもちゃ箱を引っくり返したような』と阿久さんが言ったイメージを貫きたかった」

 ピンクが解散まで1年と迫った80年3月、鹿取洋子はT&Cの最後の新人としてデビューする。松田聖子や田原俊彦と同じ「黄金の80年組」と呼ばれ、もはや歌謡界の主流がピンクでないことは明白だった。

 鹿取はそれでも、ピンクに憧れて事務所のオーディションを受け、甲斐よしひろが作詞作曲した4作目の「グッドナイト・ドール」では、振付けをミーに担当してもらっている。

「81年3月の後楽園球場での解散コンサートも見せてもらいました。こんなに素敵な人たちがどうして辞めちゃうんだろう‥‥と当時は思いましたね」

 3分の1しか埋まらなかった寂しい客入りで、それから半年後にT&Cは倒産。後期は失速したとはいえ、当時として破格のギャラだったCM(別表参照)や、2.5%のロイヤリティが入る文房具や食品の収入も莫大なはずだが──、

「36社から300種の商品が出ていたけど、すべての会社から回収できたかどうかは、あの時代だから徹底できなかった」

 語るのはT&Cの社長だった貫泰夫(ぬきやすお)である。貫は現在、ピンクとの5年間を電子書籍にまとめ、デビュー日と同じ8月25日の発売を控えている。

 どこか〈つわものどもが夢のあと〉となった感もあるピンクのモンスター神話だが、決して〈夏草〉ではないと飯田は言う。

「03年の再結成ツアーでは全国の会場が超満員になって、客席で皆さんが立ち上がって踊っている。ああいう熱気を見ていたら、すごい夢を見させてもらったんだなと実感しました」

 だからこそ現在もCMで使われているのだろう。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
ベタ惚れ「錦鯉・渡辺隆+大島由香里」まさかのカップル誕生に涙する「あの女芸人」
2
中田英寿が中村俊輔の引退試合に出場しなかった理由を盟友・城彰二が告白
3
「こんなこと初めて」ロッテ・佐々木朗希の実戦登板に飛び交った「観客の不満とブーイング」
4
大谷翔平の結婚相手特定に「元バスケ選手」急浮上…「キャンプ地で見守る女性」衝撃動画
5
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」が奇跡の復活で…太川陽介のパートナーは「あの2人」目撃談