スポーツ
Posted on 2014年11月23日 09:57

掛布雅之 DC元年「掛布チルドレン」を総括(2)

2014年11月23日 09:57

20141127o

 来年が楽しみな選手では北條史也の名前をあげたいと思います。この11月は台湾で行われている国際大会に侍ジャパン21Uの主力として参加。8日のベネズエラ戦では逆転3ランを放つなど、華々しい活躍を見せています。彼は光星学院の主砲として11年夏、12年春夏と3大会連続で準優勝に導くなど、甲子園のスター選手でした。プロ2年目の今季、シーズン終盤に初の一軍昇格も果たしました。

 彼も伊藤隼と同じように継続する力を持った選手です。打撃自体はもともと昨秋のキャンプで1日1000スイング以上の振り込みをし、形自体はほぼ出来上がっていました。ただ、シーズン中に5キロも体重が落ちるなど、まだプロで戦う体力がなかったのですが、ようやく勝負できるだけの体になってきました。

 具体的に技術アップした点をあげれば、左足の踏み込みがよくなり、バットが体に巻きつくようなレベルスイングを身につけたことです。守備も数多く練習したことで安定感が出てきました。打撃も守備も力の入れどころ、抜きどころを覚えた感じです。足は速くないのですが、現役時代の平田ヘッドコーチと同じように、守りに使う足は持っており、守備範囲は狭くありません。まずは内野のユーティリティプレーヤーとして、与えられたチャンスを生かしていけば、近いうちに定位置をつかんでも決しておかしくない選手です。

 内野で言えば、来季が大卒2年目の陽川尚将も魅力たっぷりの選手です。守備にはまだ課題を多く残していますが、一軍レベル以上の力強い打球を飛ばします。教えたことに対する吸収力の早さと器用さを持っており、北條のいいライバルになるでしょう。

 来季は高卒4年目となる中谷将大、一二三慎太も、何とか一軍で通用する苗として育てたいと思っています。この2人に共通して言えるのは、継続する力がないことです。ちょっと結果が出なければ、やっている練習を変えてみようと思ってしまうのです。でも、結果が出るのは我慢して続けたあとなのです。この1年、同じことを繰り返す大切さを教えてきましたが、今では彼らのほうからいろいろ聞いてくるようになりました。今年1年は耕したところに種をまいただけ。来年は水を与えて、芽が出るところまで持っていきたいと思っています。

 思えば日本シリーズもソフトバンクの柳田、中村ら若い生え抜き野手に痛い目にあいました。球団は今オフも戦力補強をいろいろ模索していますが、下からの突き上げこそ、最大のチーム強化です。阪神が本当の強さを身につけるため、来年も精いっぱいの情熱を傾けたいと思っています。

阪神Vのための「後継者」育成哲学を書いた掛布DCの著書「『新・ミスタータイガース』の作り方」(徳間書店・1300円+税)が絶賛発売中。

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