スポーツ
Posted on 2023年11月15日 09:58

【虎党ミニ講座】シーズン中の甲子園球場に「六甲おろし」は吹かず…じゃあ名物の「浜風」って何だ!?

2023年11月15日 09:58

「♪六甲颪(おろし)にぃ~颯爽とぉ~ 蒼天翔けるぅ~日輪のぉ~」

 阪神ファンなら誰でも知っている「阪神タイガースの歌(六甲颪)」。38年ぶりの日本一に輝いた今年、本拠地・甲子園球場でこの応援歌が何度歌われたことか。

 虎党では人後に落ちない筆者も、ビール片手のテレビ観戦で「六甲颪」の大合唱に酔いしれたクチだが、歓喜の熱狂がひと段落してから、ふと疑問が頭をよぎった。

 そもそも「六甲おろし」とは、気象学的にどんな風なのか。そこで関西在住の気象予報士に尋ねてみると、

「六甲おろしは、六甲山系から吹き降ろしてくる北風です。特に等圧線が狭く込み入った、西高東低の気圧配置となる冬期は、この季節風が強く吹きます」

 ということは、シーズン中の甲子園球場に六甲おろしは吹かない?

「その通りです。六甲おろしは山と海の気温差によって、晩秋の夕方以降にも吹くことがありますが、シーズン中に吹くことはほとんどありません」

 となれば、甲子園名物の「浜風」は「六甲おろし」ではないということになる。気象予報士が続ける。

「俗に言われる『浜風』は、夏の日中などに、陸地と海面の気温差が大きくなることによって昼過ぎ以降、海から陸に向かって吹き上げてくる強い南風です。阪神甲子園球場の場合、ホームベースから見て、センターのバックスクリーンはほぼ南の方向。より正確に言えば、わずかに西に寄った南の方向に位置しています」

 なるほど、だから「浜風」はセンターからレフト方向に吹くと!

「その通りです。しかも甲子園球場の東側には陸地が広がっており、名物の『浜風』はしばしば南西方向からの風、つまりセンターからレフト方向への風となって吹いてくるのです」

 万事納得である。仮に甲子園球場の方位が現状の真逆だったとしたら、過去の熱戦の様相もかなり違ったものになっていたかもしれない。

(石森巌)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/8/5発売
    ■680円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク