社会

バス運転手不足「2024年問題」に「自動運転」は効果アリなのか?現役運転手の「疑問」

 今、日本中で路線バスの運転手不足が起きている。北海道の十勝バスや千葉の小湊鐵道バスは、路線を廃止したり減便することで運転手不足に対応。大阪の金剛自動車も12月20日で全15路線を廃止し、路線バス事業から撤退する。

 来年4月1日からは運転手の拘束時間が短縮されるため、運転手不足はますます深刻になる。いわゆる「2024年問題」だ。

 バス会社は乗務員不足を解消しようと、大型2種免許を取得するための費用を負担したり、説明会を開くなど様々な努力を行っているが、すぐに解決とはいかないだろう。そんな中で期待されているのが、バスの「自動運転」だ。

 和歌山市は来年、完全な自動運転を行う「レベル4」での実証実験を行う予定。群馬ではJR前橋駅と上毛電鉄の中央前橋駅の間を走るシャトルバスで実証運行を行っている。今後、実験を行うバス会社や自治体はますます増え、数年後には運転手不足が解消されるかもしれない。だが、現役のバス運転手はこう漏らす。

「路線バスの運転手の仕事はバスの運転だけではありません。ドア扱いや体の不自由な方の対応など多岐にわたり、自動運転システムでは対応しきれない。前橋の自動運転のことは聞いていますが、あれはシャトルバスでドア扱いの回数が少ないからやっていけていると思います。交通量と乗客が多い都市部の路線バスを自動運転にするのは難しく、まだまだ先になるのでは。むしろ地方の方が近いうちに導入される可能性はあります」

 路線バスは自動車運転免許証を持たない学生や、免許を返納したお年寄りにとって大事な交通手段であり、廃止や減便は死活問題になりかねない。今すぐにでも解決しなければならない問題だ。

(海野久泰)

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