社会

【仰天史実】江戸時代のトランスジェンダー「流転逃亡と逮捕」の数奇な人生

 昨今、LGBTOが話題になることが多い。実は江戸時代後期にも、竹次郎と名乗るトランスジェンダーの人物が、物議を醸していた。江戸時代の幕府評定所の裁判記録「御仕置例類集」、流刑地八丈島の記録「八丈島流人銘々伝」などに名を残す、通称「たけ」である。

 文化11年(1814年)、江戸山王町(東京都中央区銀座6丁目)の火消長吉の娘として生まれたたけは、幼少期に両親を亡くして親類に育てられたが、12歳か13歳の頃に武蔵国八王子宿の鯛屋という旅籠に、年季奉公に出されたという。

 たけは旅籠で体を売るよう強要されたことから逃亡。追っ手がかからないようにと男装し、竹次郎と名乗るようになった。

 江戸に戻り、男装して新吉原で働いていたが、天保3年からは四ツ谷内藤宿太宗寺(新宿区新宿2丁目)門前町の蕎麦屋山口で働き始めた。この時、はんてんにももひきで銭湯でも男湯に入っていたことから、主人の忠蔵も疑わなかったが、忠蔵宅で男児を出産。女性であることが判明したことで再び逃亡し、古着商を騙して衣類を盗み、質入れしたなどの罪で、火付盗賊改方に逮捕されてしまう。

 取調べの上で入墨および50日間の過怠牢に加え、出牢後は男装で暮らすことを禁止された。さらに市中追放である追払となった。

 ところが天保8年(1837年)に、奉公先の金品を持ち逃げした者の話を聞きつけ、脅して口止め料を請求したことや、身分を詐称したことで、再び捕縛されてしまう。この時、禁止されていた男装だったことから罪が重くなり、本来なら過怠牢と重追放で終わるところ、八丈島へ遠島となった。

 竹次郎は流される際、女性として扱われたが、鍛冶職に就いていたと記録されており、本人は男性として振る舞っていたという。なお、竹次郎は天保9年(1838年)に、八丈島で病死している。

(道嶋慶)

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