芸能

林家三平「来年が林家三平生誕百年」/テリー伊藤対談(4)

テリー 今お弟子さんは?

三平 2人います。1番目は「明るくて元気のある高座がいい」っていう理由で入ってきて。彼は柔道2段だったもんですから、今「林家たたみ」として頑張ってますよ。2番目は香川県から出てきまして、そのままわかりやすく「林家うどん」って名前です。たたみが24歳、うどんは28歳ですね。

テリー 2人は住み込みなんですか。

三平 いや、最近はもう住み込みはないですね。自分で3、4万の家賃の部屋探して、うちの近くに住んでます。

テリー 前座で3万、4万の部屋って生活できてるんですか。

三平 今のところは。掃除を手伝ったら、「はい、お駄賃だよ」「ラーメン代だよ」って私が出したり、一門の人がチップをくれたりして、賄ってる状況ですね。

テリー そうすると三平師匠みたいに、ある程度収入がある人はいいけど、収入がない師匠だっているじゃないですか。そうすると弟子はどうするんですか。

三平 でも前座の期間って、バイトは難しいですから、そうなると親から仕送りをもらうのが現実的ですかね。

テリー 師匠は今、落語以外だと、どんな活動をされてるんですか。

三平 私、3月から御園座の公演に入るんですよ。里見浩太朗先生から声がかかって「水戸黄門」を。

テリー ああ、ちゃっかり八兵衛を。

三平 そうです。

テリー 里見さんって、ほんとにいい人だよね。半年ぐらい前に初めてお会いしたんだけど、東映の大スターで、あれだけの実績がある方なのに、すごく気さくに話しかけてくれて。

三平 里見さんは監督よりも演出がうまいんですよ。「いいか八兵衛、こういう時はこっち向いて一瞬泣くんだ。それから振り向くと、背中の表情が出る」って言われて、その通りにやったらカットがかかって、監督が「誰がそんなこと教えたんだ!」って。

テリー 怒られたの?

三平 はい。で、「里見さんです」って言えなくて、パッと見たら、もういないんですよ(笑)。そんな記憶があります。でもね、ほんとに気さくな方ですね。

テリー そうか(笑)。じゃあ、その舞台があって、あとは?

三平 今年ちょうど落語協会が誕生100年を迎えて「落語協会百年祭」なんですよ。で、来年が林家三平生誕百年。だから、何かやりたいなと思ってますね。漠然とですけど、いろんなエンターテイメントを集めて。ただ落語界じゃなく、みんなの力を借りて、今の時代に林家三平を復活させたいかなと思ってます。

テリー あ、いいですね。降霊で呼びましょうよ。

三平 降ろしますか(笑)。

テリー お父さん、明るいから。軽く来てくれるかもしれない。

三平 「もう大変なんですから」って。

テリー 俺ね、今日は「三平師匠」って言ってるけど、やっぱり俺にとっては「三平さん」なんだよね。

三平 そうです。「三ちゃん」でいいんですよ。

テリー そうなんだよ、そっち側なんだよね。

三平 今、そっち側の人間が少なすぎるんです。「こいつ何も考えてないよな」とか、そういう人間でいいと思うんですよ。

テリー 実は僕もそういう生き方をしたいんですよ。年を取るとみんな終活だとか面倒くさいこと言い出すけど、まったく興味ないんですよ。バカなこと言って怒られてる方がいいよね。

三平 今ネット見ると、誹謗中傷が多いじゃないですか。それより、もっと自分がほんわかしてた方が絶対いいですよ。私は突っ込まれる性格だし、どんどん突っ込んでいただいて、ネタにしてもらえればいいかなと。それがお笑いの世界に生きる父の役目だったし、林家の役目じゃないですかね。

◆テリーからひと言

 生誕100年にはお父さんが得意だったアコーディオンの伴奏に合わせた歌も見たいな。俺、日本一のアコーディオン奏者のcobaさんと友達だから。今度紹介しますよ。

ゲスト:林家三平(はやしや・さんぺい)1970年、東京都生まれ。昭和の爆笑王・林家三平(初代)の次男として誕生。大学在学中の1989年、林家こん平に入門、「林家いっ平」を名乗る。1993年に二ツ目、2002年に真打昇進。同年、「第19回 平成14年度 浅草芸能大賞新人賞」受賞。2009年、二代・林家三平を襲名。また「水戸黄門」(TBS系)で八兵衛役を務める(2009年〜2011年)など多方面で活躍。2016年から2021年まで「笑点」(日本テレビ系)のレギュラーも務めた。

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