スポーツ
Posted on 2024年04月15日 17:58

町田ゼルビア首位陥落で神戸に見せつけられたJ1上位チームの「球際バトルと個の力」

2024年04月15日 17:58

 町田ゼルビアがついに首位から陥落した。

 J1第8節、首位に立つ町田と昨季の王者ヴィッセル神戸の試合は2-1で神戸が逃げ切り、4位に浮上。町田は3位に後退した。

 町田は序盤のJリーグの主役だった。初のJ1昇格で首位に立っただけでなく、ロングスローなどのセットプレーも話題になった。ただ、ここ3試合のサンフレッチェ広島、川崎フロンターレ、ヴィッセル神戸戦が、今後の町田を占うひとつのヤマだった。

 広島戦は完敗だった。自分たちのストロングポイントである球際への出足の速さ、寄せの速さで出遅れ、こぼれ球の回収で後手に回った。後手に回ると、広島にボールを回される。その速いパスワークについていけず、ファウルで止めるしかなかった。試合結果は1-2だったが、内容は完敗。黒田剛監督も「本来、自分たちがやりたいことをやられた」と完敗を認めていた。

 調子が出ない川崎相手には完勝だった。ロングボールを警戒した川崎がラインを下げた分、中盤でボールを繋いで押し込み、前半は川崎にシュートらしいシュートを打たせなかった。71分にGK谷晃生の退場で1人少なくなったが、それまでの試合は完全に町田が支配していた。結果は1-0だったが、自分たちのサッカーができていた。

 そして神戸戦。神戸は絶対的エースの大迫勇也をケガで欠き、町田にとっては大きなチャンスだった。ところが神戸は、町田対策というよりも、自分たちのサッカーを徹底させた。それがハードワークであり、球際のバトルで勝つことであり、寄せの速さと動き出しの速さで少しでも相手を上回りセカンドボールを回収すること。つまり町田と同じ土俵に上がって、根比べの勝負にしたのだ。

 ハードワーク、球際の奪い合いで互角なら、個の力では神戸が上回る。それ以上に、神戸には勝負強さがあった。神戸の先制点は前半終了間際の45分。2点目は試合終了間際の89分。ここで点がほしいという時間帯、相手にとっては絶対に失点してはいけない時間帯。そこで点を決めるのは、昨季の王者らしい勝負強さと言っていいだろう。

 町田は勝負どころの3試合を1勝2敗で終えた。J1で優勝を狙うチームの、レベルの高さを思い知らされたかもしれない。自分たちのストロングポイントであるハードワーク、球際の激しさ、寄せの速さという部分で相手に上回られたら、選手の個のレベルの差、チームのレベルの差、チームの完成度の差では勝てない。それが神戸であり、広島だった。

 J2では通用したことが、J1の上位チームには通用しない。町田にとってはいい勉強になった。ただ、これから対戦する相手は、この2試合を参考にしてくる可能性がある。町田のJ1での戦いは、ここからが本番と言えよう。

(渡辺達也)

1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップアジア予選、アジアカップなど数多くの大会を取材してきた。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年09月14日 11:30

    AIは本当に人類を終わらせるのか。専門家のとある主張が世界を震撼させている。その「AI終末論」は、AI開発企業アンソロピックに勤めていた元研究員、ジェイコブ・コクソン氏によるもの。Xで「AI研究関係者の多くが、AIは今後10年以内に人類を破...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    事件
    2026年09月16日 20:30

    「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物「エトミデート」は、広島カープに大きな衝撃を与えた忌まわしいブツだ。元広島カープの羽月隆太郎氏にこれを譲り渡したとして医薬品医療機器法違反の罪に問われた会社役員・滝口涼介被告の初公判が9月16日に広島地裁で...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年09月17日 07:15

    20世紀最大級のミステリーと言われてきた、イギリス・スコットランドのネス湖に生息するという未確認動物(UMA)の「ネッシー」に、再び熱い視線が注がれている。いったいなぜか。一時期は目撃情報が激減し、専門家からは死亡説や、人間の活動を警戒して...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/15発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク