芸能

憧れの女子アナに会いたい“2024夏”〈直撃③・関谷亜矢子(元日本テレビ)〉スポーツ選手の心を開いたインタビューの極意

 88年に日本テレビに入社し、スポーツ担当アナウンサーとして若貴ブームやJリーグ開幕、イチローフィーバーを伝えた関谷亜矢子(60)。選手の心を開いたインタビューの極意から退社の真相、現在のライフワークを明かしてくれた。

─記憶に残る名シーンを一つ挙げるなら?

関谷 94年のリレハンメルオリンピックでしょうか。スキージャンプ団体、金メダルをかけた原田(雅彦)さんの最後のジャンプ。いつも通り飛んでくれたら‥‥という場面、空中でまさかの失速。ジャンプ台のすぐそばで見ていたんですけど、その瞬間、すべての音が消えて、シーンと静まり返ったのを覚えています。視界は雪で真っ白。まるで時間が止まったような感覚でした。現地はとても寒くて、屋外でホットコーヒーをいただいても、すぐに凍ってシャーベットになってしまうほど。足先のしもやけが痒いのを通り越して痛いくらいだったのですが、その痛みすらすっかり忘れるほどショックを受けました。4年後の長野で雪辱を果たした時は、競技場ではなく現地のスタジオにいたんですけど、努力が報われてよかったと心から思いました。

─マスコミ嫌いと言われる選手も、「関谷さんなら」と取材を受けてくれた印象があります。

関谷 イチローさんも中田英寿さんも、「マスコミにあまりしゃべらない」と当時は言われていましたが、インタビューでは話してくれましたね。自分でも何がよかったのかわからなかったのですが、ただ、スポーツを担当する上で大切なのはとにかく取材に行くこと。練習でも試合でも、カメラが回っていなくても、選手がいる現場に足を運ぶよう心がけていました。そうやって地道に信頼関係を築いていかないと、選手の立場になって考えたら「いきなり来たって何も知らないでしょう?」ってなりますよね。

─日テレ入社時は、徳光和夫という偉大な先輩がいました。

関谷 当時は徳光さんと福留(功男)さんが二大巨頭。福留さんは「関谷、台本なんて見なくていいんだよ」とか言いながら、台本に赤ペンでびっしりと線を引いて本番に臨んでいたので、スタッフの信頼は厚かったですね。一方の徳光さんは、「はい、台本通りやります」と言って、全然、違うことをしゃべる(笑)。フロアマネージャーはハラハラしますよね。でも、CMに入る最後の0.1秒まで使い切って上手に番組を盛り上げてくれるんです。ある意味、好対照なお二人と仕事でご一緒できたのはとてもありがたかったですね。

─00年の寿退社はファンにとって衝撃でした。

関谷 テレビの仕事から離れたいと思ったわけではないんです。夫も日本テレビの社員(※編集部注「行列のできる相談所」などの総合演出を手がける高橋利之氏)で、「周囲がやりづらいんじゃないか」と思い悩んでいたようなんです。その点、私は「別にいいんじゃない?」くらいにしか思っていなかったんですけど、夫が退社を口にしたので「それなら私が辞めます」と‥‥。日本テレビには恩義があるので、退社直後は他局の番組に出ようとは思いませんでした。徳光さんとのご縁もあって、息子さん(徳光正行)が司会をするTOKYO MXの番組に出演したのも、退社からずいぶん経ってからのことでした。

─退社後は「朝日新聞(夕刊)」で連載を持つなど、インタビューの仕事を長く続けています。

関谷 森永乳業が発行する会報誌「マミークラン」で、かれこれ6年以上インタビューを担当させていただいています。色々な方に話を聞いて、その人生を疑似体験したり、言葉から力をいただくのはインタビューの醍醐味。そのためにも、事前にお相手のことをきちんと勉強して、すべて頭に入れておく。インタビュー中はメモを見ないで、顔から視線をそらさない。話を聞く姿勢は日本テレビにいた頃と変わらないかもしれません。

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