社会
Posted on 2024年07月29日 09:53

出所ヤクザが明かす「中国監獄」の地獄絵図〈前編〉(1)刑務所から強制送還で帰国

2024年07月29日 09:53

 覚醒剤売買の罪で日本人に死刑執行─。2016年10月21日付の新聞各紙は日本人で7人目となる刑の執行を報じた。しかし、公式に発表されるのはごく一部でしかない。14年前の覚醒剤密輸事件で中国当局に身柄を拘束され、今年5月に奇跡的に生還した日本人ヤクザが中国監獄の実態を赤裸々に明かす。

 中国で逮捕されたのは、忘れもしない2010年7月17日。今もはっきりと覚えています。珠海(広東省)のホテルの部屋には3キロの覚醒剤。私の他に日本人が2人、台湾人1人がいました。中国では、所持でも販売でも密輸でも、500グラムを超えたら死刑なんです。その後、逮捕されて、これから裁判という時に、親オ ヤ分ジがポンと1000万円を投げてくれなかったら、自分の命はなかったでしょう。

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 毎年、数千人単位で死刑が執行されている〝死刑大国〟の中国から生還したのはマツダトミオ氏(仮名)=50代=。神奈川県の組織に身を置くヤクザである。麻薬密輸に関与した容疑で逮捕され、中国の刑務所に服役。今年5月16日、およそ14年ぶりに帰国した。

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 強制送還ですから、刑務所から着の身着のまま空港へ連行されて、税関や検疫もノーチェック。半袖半ズボンだから刺青を隠すこともできませんでした。

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 以下、後編にわたって、長きにわたる拘禁生活をお届けする。そもそも、なぜマツダ氏は中国で麻薬ビジネスに関わることになったのか。

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 今から17年ほど前、別の事件で日本の府中刑務所に服役していた際、とある台湾人と知り合ったのです。そもそも私がいた組織は麻薬を扱ったことはなく、私自身、体に入れたこともありません。しかし、その台湾人が出所後にコンタクトを取ってきて、「キロ単位で調達できる」と言うわけです。私としては「組織が潤うなら」という気持ちでした。その台湾人は言ったとおりにシャブを持ってくる。実際に何度か取引を成功させ、1キロあたり300万円の利益が出たこともあります。

 あの時も現地で覚醒剤を手に入れ、後はホテルを出て、日本人のA(共犯者)が段取りした運び屋に渡すだけでした。このAという男はもともとゴト師で、空港のX線検査機をすり抜ける密輸用のカバンを作っていました。この日も70代、80代のおじいちゃんを運び屋として手配していたのですが‥‥。

 そろそろホテルを出ようかというタイミングで警察が踏み込んできて、「動くな!」と銃口を突きつけてきた。後に刑務所の中で中国版「警察24時」のような番組を見て知るのですが、向こうの警察は平気で人を撃つ。しかも殺す気で撃つんです。そりゃあ、犯人も麻薬で逮捕されたら死刑だとわかっているから、必死に抵抗しますよ。もちろん、私も身柄を拘束された時点で死を覚悟しました。真っ先に頭に浮かんだのは親分の顔でした。

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