社会

テリー伊藤対談「猪瀬直樹」(1)東京五輪は“心のデフレ”からの脱却

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●ゲスト:猪瀬直樹(いのせ・なおき) 1946年生まれ、長野県出身。87年「ミカドの肖像」で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。02年6月末、小泉純一郎総理(当時)より道路公団民営化委員に任命。07年6月、東京都副知事に任命。12年に東京都知事に就任。13年12月に徳洲会からの資金提供問題を受け、都知事を辞任。14年11月、初の私小説風作品となる、亡き妻・猪瀬ゆり子氏との思い出を中心につづった「さようならと言ってなかった わが愛 わが罪」を上梓した。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催を決めた立て役者の一人、猪瀬直樹前東京都知事。そのさまざまな功績とは裏腹に徳洲会からの現金授受問題を受け13年末に都知事を辞任した。約1年の沈黙を経て作家として再始動した猪瀬氏に天才テリーが招致活動秘話や事件の真実に斬り込んだ!

テリー 東京都知事が舛添(要一)さんに代わってから、都内のオリンピック用施設3会場の建築を中止するとか、東京オリンピック・パラリンピックを巡る取り組みが縮小方向に行ってますよね。

猪瀬 いえ、基本的にはIOC(国際オリンピック委員会)との話し合いで全て計画が進むわけで、五輪のコンセプト自体は何も変わっていませんからね。サッカーはもともと、地方で開催することになっていたし。

テリー 五輪招致に成功したのは、猪瀬さんの都知事としての功績ですよね。

猪瀬 招致しようと決めた頃、みんな暗かったんです。麻生(太郎)さんが総理大臣の時にリーマン・ショックで経済がガタガタになり、民主党政権になって宇宙人の鳩山(由紀夫)さんで「アレッ」という感じになり、菅(直人)さんの時に3・11があり‥‥、「日本はもうダメだ」みたいな雰囲気が蔓延していました。

テリー それを何とかしようと。

猪瀬 6、7年後に目標を設定して、3・11からの復興も考え、「心のデフレ」を取り払おうということで東京オリンピックをやろうと決めたんです。

テリー 猪瀬さんは当時から「心のデフレ」という言葉をよく言ってましたね。

猪瀬 気持ちがどんどんと暗くなるような方向に行かないで、まずは希望を持とうよっていうことね。

テリー 最後のアルゼンチンでのプレゼンテーションは非常に話題になりましたよね。滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」の印象が特に強くて。

猪瀬 あのプレゼンに必要だったことは、あらためて「日本のいいところを見つけること」だったんですよね。みんな「日本はダメだ、ダメだ」って言うけど「探せばいいところもあるじゃない」っていう。例えばお財布を落としても戻ってくるし、タクシーの運転手さんも優しい。住所を言えば、ナビで簡単に目的地に着けるし。降りる時も「お忘れものはないですか」とか、親切だからね。

テリー まさに「おもてなし」ですね。

猪瀬 そう。日本はチップを渡さなくても店員が「ありがとうございます」と伝える。食べ物もおいしい国だし、そういうものも含めて、日本のいいところを再び意識化したというかね。

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