皆さん、こんにちは! ボヨヨ〜ン! で、おなじみの「かつみ♡さゆり」の♡さゆりで〜す!
お元気ですか? 最近は物価高と言われていますが、生活は大変じゃないですか? いくら大変と言っても、私たちみたいに最大で43社に返済する生活を送ってる人はいませんよね?
あんなに借金があった頃は、銀行口座に給与が振り込まれた瞬間にお金がゼロになってたんです。信じられます? でも、私たちも生活をしないといけないから、銀行の開店前にお店の前で並ぶんです。それで、開店と同時にシャッターがガラガラと上がり始めたら、地面とシャッターの間に体をねじ込ませて、ATMに直行して、生活費分のお金だけ確保するんですよ。毎月、そんなんやってたから、私たちと同じ境遇の人たちと顔なじみになって、「いや〜どうですか、返済の方は?」「ぼちぼちでんな」とか世間話をするようになったり。
でも、そんな生活してたら気が病むから、ちょっとでも前進してることがわかるように、私が返済先を整理したんです。期日と返済の優先順位をまとめて書き出して、借金早見表を作りました。支払ったらところに丸印を付けると、着実に返済に進んでいることがわかるから、ほんの少しだけ気持ちが楽になりましたね。
あと、芸人の仕事だけでは返済が追いつかないから副業もいっぱいやりましたよ。100円ショップ、ラーメン屋、粗糖の先物取引‥‥全部、失敗です(笑)。一発目にやったのが、かつみさんが「借金返済ドリーム計画や!」って言って、当時「黒いダイヤモンド」と言われた、オオクワガタの養殖です。私もよくわかんないんですけど、養殖に成功したら4年目に1億5000万円ぐらいになるって言って、部屋中、養殖用のケースだらけ。寝る時もケースの間に体を入れて横になるみたいな。結局、ケースに湧いた虫を退治しようと私がバルサンを炊いたら、クワガタも死んじゃって、失敗しました(笑)。
とにかく、かつみさんはバイタリティがすごいから、すぐに行動しちゃうんですよ。お金もないのに、「さゆりちゃん、明後日からスナックやるわ」とかね(笑)。お金がないんで、不動産屋さんには、敷金礼金は分割にしてもらって、居抜き物件を選んでね。2人共、お酒を飲まれへんのに、ほんとに3日後にオープンしたんです。来ていただいたお客さんに、「ハイボールって、どうやって作りますのん?」とか、教えてもらいながらお店をやってました。やっぱり、失敗しましたけど。
夫婦最大の危機ですか?
忘れもしませんけど、かつみさんのお父さんが亡くなって10年が経ったある日、生前お父さんが保証人になっていた会社の10億円の督促状が巡り巡って届いた時ですね。今でも、生活が大変やのにどうしよう?って。その直後に、当時かつみさんが組んでいたコンビの相方から解散を切り出されて‥‥。偶然その日、私も仕事先に一緒に行ってて、帰りの車の中で、かつみさんから「解散することになったわ」って、素っ気なく言われて、いやいやボヨヨ〜ン! ですよ、そんなの。結局、借金は相続せずに済んだんですが、コンビでの仕事がなくなるのでお金が入らない状況は変わりません。でも、かつみさんはすぐに、首から〝お仕事募集中〟っていう看板を下げて、吉本興業中を歩き回ってね。若手でも断るような危険な仕事を積極的に引き受けて、道頓堀の川に飛び込んだり、ワニとキスをしたりして、何とかお金を稼ごうとしてくれました。
でもまさか、私がかつみさんとコンビを組むなんて思ってもいませんでした。中田カウス師匠がかつみさんを呼び出して、「お前、どこを見てんねん。隣に、ええ相方がおるやないかいな」って言っていただいたらしくて。そう言われても、漫才なんか絶対できひんと思ったんですが、そんなこと言うてる場合じゃないわって。やれるだけやってみようと考え直して、お風呂に入ってたかつみさんを追いかけて、私も湯船に浸かって、そこで初めてネタ合わせをしたんです。
でもめちゃくちゃ大変でしたね。漫才のツッコミに慣れてないから、頭を叩かれるたびに泣いちゃうし。ずっと一緒にいるから、どんな時もネタのこと、漫才のことを話し合って。かつみさんはお風呂でネタが浮かぶタイプなんで、お風呂場でダメ出しが始まって、そのままリビングに移動して全裸のまま漫才の稽古をしたこともあります(笑)。
今は、NGK(なんばグランド花月)での漫才は少しお休みをしてるんです。コンビを組んでから、ロケタレントとしては忙しくさせてもらってるんですが、NGKの舞台となると、かつみさんも生半可な気持ちでは舞台に立てないっていうのがあるんでしょうね。ダメ出しも熱がこもって寝ないで稽古が続いた時に倒れてしまって。だったら、もう少しお仕事が落ち着いて、気持ちに余裕が生まれた時にまたNGKでしっかり漫才をやろうっていうことになったんです。でも営業先では漫才はやっていて、今では15分の持ち時間を1時間もしゃべって怒られたりするようになりましたけどね(笑)。
今から思えば、かつみさんとこんな風に一緒の人生を歩むなんて想像もしてなかったんです。だって、デビューした頃、かつみさんが吉本の楽屋にある電話ボックスで「何とか、なりませんの!」って、絶叫しながら倒れ込む瞬間を見てるんですから(笑)。ちょうど、莫大な借金を背負った瞬間だったらしくて、みんなで噂しながら笑ってたんですよ。そうや! 「ひと言いわせて」なんで言わせていただくと、人のことを笑っていると、いつか自分も同じ目に遭いますよって言いたいですね。あの時、笑ってしまったから、私もこんな借金返済生活を送るようになったんですよ。でも、ありがたいことに、池田泉州銀行さんで借り換えができて、かつみさんが86歳、私が80歳頃に完済できる予定です! その日が待ち遠しいです、ボヨヨ〜ン!
♡さゆり 1969年、兵庫県生まれ。88年頃よりタレント活動を始め、吉本興業屈指の美人タレントでありながら〝天然〟というキャラで人気を集める。2000年に、夫であるかつみ♡とコンビを結成し、〝西のペーパー子〟としてテレビやラジオで活躍し、YouTubeチャンネル「かつさゆのボヨヨンチャンネル」も話題。