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これほどの暴力が常態化しているなら、管理する立場である学校関係者は救いの手を差し伸べなかったのだろうか?
「それは期待できませんでした。最も残念だったのが、入部する前、監督が『ウチはイジメだけは絶対ない』って堂々と語っていたのに‥‥。本当に知らないのかもしれませんが、そんな人に助けなんて求められない。あと、先輩に殴られた後、なかなか痛みが治まらなかったので保健室に行って湿布薬をもらったんです。その時、先生にハッキリと先輩に暴力を振るわれたことを伝えたのに、何も返事をしてくれなくて。だから、1年生の間はじっと耐えるしかありませんでした」(S氏)
また、大阪屈指の強豪校に在籍していたH氏(40代/04年卒)は、寮ではなく下宿を利用していたが、そこで上級生から悪辣な嫌がらせを受けていたと告発する。
「同じ下宿に暮らす2年生の部屋に、練習が終わった後に呼ばれるんです。野球部以外の先輩も数人いて、ダラダラ過ごしているだけなんですが、そこでいろいろなイジメをされて‥‥。嫌だったのが、『シャワーを浴びていけ』って言われて、しかたなく風呂場に行くと、頭から食器用洗剤をかけられたり、熱いお湯を背中に浴びせられたり。いちばんつらかったのは、着替えの服が廊下に出されていて、それを取りに行くと脱衣所から締め出されるんです。僕が慌てて着替える様子を見ながらゲラゲラ笑ってる姿を思い出すと、今も悔しくてしかたがないですね」
若気の至りでは許されない。金村氏は、こうしたイジメ対策の重要性とともに、大人たちにも厳しい目を向ける。
「元プロ野球選手たちが、高校時代のイジメをうれしそうに笑い話にする風潮ってあるじゃないですか。その感覚がわからないんです。それぞれのお立場で語ってらっしゃるのはわかりますけど、僕にはそれができない。だって、本当につらい思いをして、野球をあきらめた人だっていたわけじゃないですか。中には、亡くなったケースさえあるんですよ。その気持ちを考えたら、笑ってる場合かって思いますね。高校野球の子供たちに責任を押しつけるんじゃなくて、僕ら大人たちが率先して考えないといけない問題だと思いますよ」
高野連はその理念に、フェアプレー(Fair play)、友情(Friendship)、闘志(Fighting spirit)の3つの「F」を掲げている。そこにフェイク(Fake)が加わらないことを祈るばかりだ。
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