エンタメ

12.2「年間大賞発表」までにたしなみたい「新語・流行語大賞」を理解するための「局地トレンド」

 今年の「新語・流行語大賞」の年間大賞とトップ10の発表まで、あと2週間あまりとなった。ノミネートされた30の用語リストを見ながら「これが大賞だろう」「いや、こっちかな」などと酒場で論戦を張る御仁もあろうが、「やっぱりどれもピンとこない」と、現実社会とのギャップを訴える向きも一定数、あることだろう。なにしろ「本当にこれが世の中で流行ったのか」と「世相を反映」の基準に疑いの目を向けてしまうからだ。

 改めて30語を眺めてみると、「裏金問題」「ホワイト案件」「トクリュウ」「新NISA」「令和の米騒動」などは、新たな社会現象や世相を映しているとは思うが、「そんな言葉、知らない」というものも。もしかするとこれが、いわゆる世代間ギャップというやつなのか…。

 こうした違和感を解消するには、現代社会で加速する多様化、細分化、専門化の波を理解する必要があるのではないか、と思う。

 例えばかつて(昭和の時代など)、ヒット曲といえば、国民のほとんどに耳なじみのあるものが多かった。音楽番組で頻繁に流れ、有線放送で耳に入り、トップ10チャートは目に入り、NHK紅白歌合戦でも歌われた。アイドルや人気バンド、演歌歌手、シンガーソングライターのヒット曲であっても、それはまぎれもなく「世間一般で流行」という事象だったのだ。

 時代は流れて、そうした「趣味嗜好」は枝分かれしてそれぞれに「マニア化」し、特定の愛好者に支えられるものになっていった。だから「わかる人はわかる」し、「わからない人にはまるでわからない」のだろう。新語・流行語大賞のノミネートを見て「時代に合っていない」と思うのは、「本当に流行していなかった」からではなく、「わからなかった」「気付こうとしなかった」だけなのかも…と。

 エンタメ業界に身を置くクリエイター氏は、こう話す。

「かつては『ワイルドだろう?』『ダメよ~ダメダメ』なんていう芸人の言葉が、今よりもわりと老若男女が知るところとなっていたように思います。翻って今年のノミネートでは、例えば『Bling-Bang-Bang-Born』なんて、ひとつのグループの曲名そのもの。2021年には『うっせぇわ』も曲名ながら、大賞を受賞していますね。いずれも『お客さん』が限られるものゆえ、知らない人には流行したのかどうかが、まるでわからなかった…」

 つまりは「局地的なものも含めた流行」を理解しなければ、この新語・流行語大賞を楽しむことはできない、それが現代の「トレンド」なのだと…そんな気がするのだった。

(小津うゆ)

カテゴリー: エンタメ   タグ:   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
3
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身