「ロンドンハーツ」(テレビ朝日系)が11月26日と12月3日の2週にわたって、人気企画「ラブマゲドン」を放送した。「ラブマゲドン」とは「複数名の男女がテーブルを挟んで向かい合い、「もしも地球上にこの男女○名しか残されなかったら、誰とお付き合いしたいか」という名目で、各自が「お付き合いしたい」と思う相手を選び、両想いならカップルシートへと移動できる。毎回、男性側(時に女性側の場合も)の人数が1人多いため、必ず誰かはカップルになれずに苦汁を舐めることになる。
この企画はいつも、カップルが次々に成立していくと「最後に残ったひとりぼっち」になりたくないがために、当初の自分の「好みのタイプ」なんてものはかなぐり捨てて指名相手を選択し、それでもフラれるとガックリとうなだれる。時にはフッた相手や成立したカップルに向かって口汚く罵る姿などが、人の業というか、笑いと哀れみを生み出すのだが、そんな内容ゆえ、基本的に「女性タレントと男性芸人」という組み合わせで行うことが多い。
しかし今回、女性側は稲田美紀(紅しょうが)×熊元プロレス(紅しょうが)×やす子(ピン芸人)×かなで(3時のヒロイン)×愛(ヨネダ2000)×植田紫帆(オダウエダ)の計6名で、ポッチャリ系かつトリッキーなメンバーが多め。それに対し、男性側はなんと、STARTO ENTERTAINMENT所属の7人組アイドルグループTravis Japanのメンバー、宮近海斗×中村海人×七五三掛龍也×吉澤閑也×松田元太×松倉海斗の6名と、体調不良で欠席となった川島如恵留の代わりに田村淳(ロンドンブーツ1号2号)を急きょ加えた計7名の顔ぶれだった。
その淳の代わりに、MCは有吉弘行と山崎弘也(アンタッチャブル)が担当。真っ先に成立したのは、松田とかなでのカップルだった。しかも松田のほかにも、宮近×七五三掛×松倉もかなでにアプローチしており、かなではモテモテ。あり余るお肉をぶるんぶるんと振るわせて、喜びを体現していた。
と、ここまでが11月26日の放送分。続く12月3日の放送で、次に成立したのは稲田と淳だった。稲田はその前から中村にアプローチされていたのだが、これをフッての、淳とのカップル成立だった。アイドルの代役で入ったお笑い芸人が2番目に抜けることになったのだから、とんだ大番狂わせだ。
その後も現役アイドルが女芸人にフラれる絵面が続き、バラエティー番組の企画とはいえ、「本当にこの人たちって普段、女の子にキャーキャー言われてるアイドルなん?」とおかしくなってしまうほど。中でも松倉は、指名した相手に即興で特技のポエムを捧げたのだが、これがまあ、キメ顔で言う割に中身がスカスカで、その雰囲気も相まって「あれ? 狩野英孝?」と見紛うほど。その後はなんだかんだでカップルが成立していき、結局、最後に残ったのは吉澤だった。
実はTravis Japanの松田×松倉×吉澤の3人は、12月2日の「有吉クイズ」(テレビ朝日系)にも出演した。ここでは、過去に同番組で行った「パチンコ玉持ち上げQ」「卵かけご飯で無音チャレンジ」「ローリング・クレイドル何回返せるか?」の3つの企画に挑戦。またもアイドルらしからぬ、体を張る姿を披露していたのだった。
まあ、Travis Japanにとってはどちらの出演も、12月4日発売の彼らの新しいアルバムの宣伝のためでもあるのだが…。
奇しくもというか、12月1日放送の「誰も知らない明石家さんま」(日本テレビ系)では、かつて「オールスター紅白大運動会」の最終競技である「男女混合リレー」でアンカーだったさんまが、同じくアンカーの田原俊彦を破って勝利したくだりがドラマ化されていた。
それまでエンタメやテレビの世界において、単なる賑やかしの存在でしかなかったお笑い芸人が、トップアイドルを負かすなど前代未聞だったわけだが、このさんまの活躍を機に、お笑い芸人の地位が向上していったというような描かれ方で、ドラマは幕を閉じた。
それと同時に、アイドルの地位は下がっていった、ということなのだろうか。そう思わせるほど、Travis Japanの身の削り方は衝撃的だった。「全世界メジャーデビュー」というフレコミだったはずなのに…。
(堀江南)