スポーツ

侍ジャパン「オランダ戦」強化試合に出ても「あまり意味はない」という困った事情

 ドジャースVSレッズのオープン戦で、大谷翔平が1安打、山本由伸は4回2失点、メジャー初登板の佐々木朗希が3回無失点5奪三振と好投。それぞれが存在感を見せつけたことに「侍ジャパンの強化試合をやっている場合か」との声が球界内から上がっている。

 来年の「第6回ワールドベースボールクラシック(WBC)」に向けたオランダとの強化試合は3月5日と6日に実施される。世界一連覇を狙う侍ジャパンにとっては数少ない強化試合だが、この開催に眉をしかめる関係者は多い。さる球界OBもそのひとりだ。

「プロ野球開幕まで1カ月を切り、各球団にとっては大事な時期。もちろん日の丸を背負って戦うことに意味はあるが、ここでケガでもされたら大変なことになる。各球団の監督はハラハラしながら、この2試合を見守るんじゃないかな」

 スポーツ紙遊軍記者も、微妙な空気感を次のように指摘する。

「この時期に侍ジャパンで活躍しても、WBCのメンバーに選ばれない可能性はありますからね。正直言って、人数合わせのような選手もいますが、日本代表に選ばれたことで勘違いして自分を見失わなければ、と思っています。球団によっては『侍ジャパンよりも、地に足をつけてオープン戦でプレーしてほしい』と公言するコーチもいます」

 来年のWBC出場メンバーは決まっていない。だが連覇のためには、前回大会で優勝に貢献したメンバーが中心になることは間違いなかろう。その中には現役メジャーリーガーも数多くいる。前出の遊軍記者は、

「前回のWBCの中心、特に先発陣は大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希、今永昇太です。所属球団の事情で、今回は全員が出場可能になるかは分かりませんが、OKとなれば今回の強化試合で先発する投手の出る幕は、あまりないでしょうね。ましてや前回、移籍直後で出場を見送ったメッツの千賀滉大もいる。となれば中継ぎ、抑えで重宝される投手しかチャンスはない。外野陣も鈴木誠也や吉田正尚が入ってくれば、弾き出される選手は出てくる。言い方は悪いが、当て馬になるかもしれないですよ」

 現段階で今回の強化試合やシーズン中のプレーがWBC出場可否に直結しそうなポジショ

ンは、内野手しかないことになる。

「今オフのメジャー挑戦を表明しているヤクルトの村上宗隆、メジャー入りを視野に入れる巨人の岡本和真は、本来ならばWBC当確メンバー。ただ、移籍先のチーム事情によっては、見送らざるをえなくなる。強化試合に出場する内野手にとっては、救いでしょうね」(前出・遊軍記者)

 先の球界OBの、

「サッカーのように、年間に何試合かは強制的に代表チームに招集できるシステムがない以上、あまり強化試合の意味はないような気がする」

 という発言が杞憂に終わればいいが。

(阿部勝彦)

カテゴリー: スポーツ   タグ: , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
3
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身
4
前世の記憶を持つ少年「僕は神風特攻隊員だった」検証番組に抱いた違和感
5
前田日明「しくじり先生」で語らなかった「最大のしくじり」南アフリカ先住民事件