スポーツ

「顔面死球⇒骨折」西武・中村剛也が打撃コーチに向けた試合出場の返答は「ワン!」だった

 日本プロ野球歴代3位となる本塁打王6度獲得の「おかわりくん」こと中村剛也(西武)が、初の本塁打王に輝いたのは2008年。5月11日のオリックス戦で顔面右に死球を受けて頬骨を骨折しながらも先発出場を続け、西武の日本人選手の本塁打記録(43本=秋山幸二、田淵幸一)、25歳の本塁打記録(44本=大杉勝男、岩村明憲)を破る46本塁打で初タイトルを獲得している。

 この年、西武の監督に就任した渡辺久信氏が野球解説者・大久保博元氏のYouTubeチャンネル「デーブ大久保チャンネル」で、中村の初戴冠秘話を明かした。

「顔にデッドボールで骨折したって(試合に)出たじゃん。あいつの根性も大したもん。デーブが出ろって言ったんだけど…」

 実は当時の西武1軍打撃コーチだった大久保氏が、中村を強行出場させたというのだ。大久保氏が振り返る。

「(死球の時)バシャーンって変な音したじゃないですか。こうやって終わるんだ、選手って…って駆け寄って…」

 中村はバッターボックスで顔を押さえて倒れ、「う~ん…」と苦しそうに唸っていたそうだが、大久保氏が見下ろし、

「『ワン!』って言ったら『ワン!』って言い返したんですよ。あれ、生きてんなと思って」

 さらにその後、大久保氏は中村のホテルを訪れて、こう迫った。

「お前が出れば、このまま続く。これでファーム行ったらお前、終わるよ。どっちにするの? 出るの、出ないの?」

 すると中村は「ワン!」と返事。これが出場を続ける合図だったというのだ。

 前年、伊東勤監督のもとで5位に終わったチームを建て直すべくスタートした渡辺新政権の船出は良好で、ペナントを制し、日本シリーズでは巨人を4勝3敗で破って4年ぶりの日本一に。中村のバットなくして頂点に立つことはなかった…かも。

(所ひで/ユーチューブライター)

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