サッカー欧州リーグが終盤戦に突入する中、日本代表FWの明暗がくっきり分かれたのは、名門セルティック(スコットランド)でチームメイトだった古橋亨梧と前田大然だ。
開幕から古橋が不動のエースとして君臨し、前田がウイングで起用されていたが、古橋は1月にリーグ・アン(フランス)のスタッド・レンヌに移籍した。降格争いをするチームの救世主として迎え入れられたものの、先発出場は1試合のみ。ゴールは不発でベンチ外が続き、完全に干されていた。
「不運だったのは、古橋を熱望していたホルヘ・サンパオリ監督が、加入直後に解任されたこと。新指揮官のハビブ・ベイェ監督には全くハマりませんでした。もはや戦力外なのは明白で、来季に向けて新天地探しを始めているともっぱらです」(サッカーライター)
一方、古橋に代わってセルティックのエースとして覚醒したのが前田だ。それまで黒子に徹することが多かったが、水を得た魚のようにイキイキと躍動。ゴール量産モードで16得点を奪い、得点王争いのトップに立つと、チームのリーグ優勝にも貢献した。
さらに欧州クラブの頂点を決めるチャンピオンズリーグでは、ドイツの王者バイエルンからゴールを奪っただけでなく、無尽蔵のスタミナと驚異的なスピードを見せつけて、欧州5大リーグで前田の獲得争いが勃発。すでにプレミアリーグ(イングランド)の複数のクラブが動き、移籍話が過熱している。
古橋の移籍が裏目に出て明暗が分かれると、日本代表のFW争いにも影響が出ているようで…。
「日本代表で前田は左ウイングが主戦場でしたが、ワントップでも計算できることが判明し、森保ジャパンで古橋より序列が上がった。そればかりか、来季も古橋は所属クラブで試合に出場できなければ、2026年北中米ワールドカップの本大会では、選外も十分にありうるでしょう」(前出・サッカーライター)
ブレイクした前田が韋駄天を飛ばして突っ走るのか、古橋が起死回生の巻き返しを図るのか。
(風吹啓太)