「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)の「不適切編集問題」に、新たな動きがあった。
発端となったのは、3月24日の放送回。街頭インタビューに応じた中国出身の女性が「中国ではカラスを食べる」と話したかのような、虚偽の編集が行われたことが判明し、BPO(放送倫理・番組向上機構)で審議入りしていた。
問題を受けて番組が街頭インタビューを中止していたが、5月26日に同局の定例会見で福田博之社長が「再発防止策が確認された」として、同日の放送回から街頭インタビューを再開すると表明。今後はインタビュー映像を複数の番組スタッフと番組担当外の社員がチェックし、制作モラル向上のための研修を繰り返し行うと、番組公式サイトで明かされた。
これにベテランのテレビマンは「甘すぎる判断と言わざるをえない」と手厳しい。続けて、
「演出の域を超えた『ヤラセ編集』である上、BPOから『他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑い』を指摘されているように、国際問題に発展しかねない不祥事。現在のテレビ業界の常識で考えれば『即打ち切り』が妥当なところです」
ところが打ち切りどころか、わずか2カ月で街頭インタビューを再開。はたして、このまま継続できるのか。
「いや、現状のままいくならば『9月終了』となるのではないですか」
と指摘するのは、放送関係者だ。
「BPOの審理は放送局と約3カ月の話し合いを経て、委員会での審議に持ち込まれるのが通例。まだ日本テレビから事情を聞いている段階で、BPOの結論が出るのは11月頃になる模様です。厳しい決定が下される前に、秋の改編で自発的に番組を終わらせる判断を迫られるのではないか、とみています」
「延命措置」はいつまで続くか。
(川瀬大輔)