鉄壁のリリーフ陣と守備力をバックに、セ・リーグで激しい首位争いを演じる阪神タイガース。その場外では藤川球児監督と在阪メディアとの間で、別のバトルが繰り広げられていた。トラ番経験のあるスポーツジャーナリストが言う。
「前任の岡田彰布監督と違って語彙力が少なく、試合後の囲みでいくら質問してもはぐらかす。試合のキーポイントをあまり説明することがありません。戦略的に采配の意図を理路整然と語らず、スポーツ紙の編集委員、論説委員、特別記者といった重鎮が紙面上で批判を展開しています。それがきっかけで、監督サイドと在阪スポーツ紙との間で冷戦になっているわけです」
藤川監督は推定年俸8000万円(推定)での3年契約。出来高や手厚い手当を含めると、3年総額3億円程で虎の将を請け負っている。この中には毎試合のメディア対応費や、ファンサービスに応じる、といった細かい規定も含まれている。
「ウルサイ関西メディアや伝統あるスポンサー企業の相手をするのも、阪神監督の立派な仕事なのですが…。藤川監督は関係者の間では人気がありません。古参の球団OBとの雑談に付き合うこともなく、試合前練習はそそくさと、関係者が多数いるベンチ付近を離れてしまうことが多いですね。さながら元中日・落合博満監督のようなタイプです」(在阪メディア関係者)
引退後は在阪スポーツ紙とは距離を置き、タイガース生え抜きのレジェンドとしては異例となる、スポーツ報知の評論家だった藤川氏。監督を辞めた後も関西に残る気はなく、東京で仕事をするつもりなのかもしれない。
(佐藤実)