今季二度目の「戦力外通告」が現実味を帯びてきている。現在、カブス3Aアイオワでプレーする前田健太が現地時間5月29日に、メッツ傘下3Aシラキュース戦に先発登板したが、2回途中7安打3四球で9失点と大乱調で降板した。これでアイオワで先発した3試合の防御率は24.30に悪化し、メジャー昇格どころか、いつ契約を解除されても不思議ではない状況に追い込まれた。
マエケンはいきなり先頭打者のギルバートを歩かせた後、1アウトを取るにも四苦八苦。打者10人に対して6失点した。続く2回、無死満塁のピンチを迎えたところで交代を命じられた。わずか47球での降板劇だった。
3Aでのマエケンらしからぬ投球の連続に、日本時代から知るマスコミ関係者は、
「とにかく制球が悪すぎる。もともとコントロールが悪い方じゃないし、今さらメジャーの使用球が日本より大きいとか滑るとかでもない。残念だが、もはや限界か、イップスかもしれない」
メジャーリーグを取材をするスポーツライターは今後のマエケンに関して、最悪の状況を想定する。
「昨年タイガースと結んだ2年総額2400万ドル(約35億円)の契約が残っているため、これまでの実績を踏まえ、期待を込めて獲得するチームがあった。復活すれば儲けものですから。でも来季はもう、そうはいかないでしょう。残念だけど、このままならメジャーに残ることは難しいかもしれない。そのカウントダウンに入っています」
これまでメジャー通算226試合に登板して、68勝56敗10ホールド6セーブ、防御率4.20。カブスとマイナー契約を結んだ際には、広島時代のチームメイトだったカブス・鈴木誠也から「一緒にやれたら嬉しい」とエールを送られた。マエケンは「最後は日本でやりたい」という希望を語っているが、
「昨年来、日本球界での価値が下がっている。もし今回、戦力外となっても、古巣の広島をはじめ、獲得に乗り出すチームが出てくるかどうか…」(スポーツ紙デスク)
一世を風靡した名投手は、このまま終わってしまうのか。
(阿部勝彦)