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デトロイト・タイガースが前田健太のリリースを正式に発表し、現地時間5月7日からウェーバー公示された。この公示期間の48時間で獲得に名乗りを挙げる球団があれば、前田の保有権はその球団に移る。しかし37歳という年齢から、悲観的な見方がなされている。選手の移籍情報をメインとしている米メディア「トレード・ルーマーズ」は、2024年にタイガースと交わした2年2400万ドル(約34億8700万円)を指して「残りの契約分1000万ドル(約14億3600万円)を支払う義務が生じる。そこまでして獲る価値があるのか」と、高額年俸がネックになっていることを伝えていた。現地ジャーナリストが解説する。
「公示中、獲得に名乗りを挙げる球団が現れなければ、マイナー契約を結び直すこともできますが、自由契約となって退団も選択できます。自由契約で新天地を探したとしても、メジャー最低年俸の76万ドル(約1億900万円)でしか契約してもらえないかも」
しかし「自由契約」こそ、前田が望む選択肢のようだ。というのも前田は「せめて10年はやりたい」と、メジャーリーグ在籍期間に強いこだわりを持っている。今季がその10年目であり、一部メディアで囁かれている古巣・広島への帰還は「早くても今シーズン終了後に検討」となるようだ。
なぜ10年にこだわるのか。節目で区切りはいいが、そうではないらしい。62歳から支給される「メジャーリーガーの年金制度」にその理由があった。
「10年で満額支給となります。年27万5000ドル(約3900万円)が、終身で支払われるんです」(現地ジャーナリスト)
メジャーリーグの年金制度は、試合出場登録の日数172日で「1年」とカウントされる。前田が事実上の戦力外通告を受けたのは5月2日だから、「9年と35日」。あと137日の登録が必要であり、「満額支給に届くのなら、今シーズンの年俸が1000万ドルから72万ドルに落ちてもかまわない」というのが正直な心境ではないだろうか。
「選手年金は非公開なので、実働9年の選手には満額の90%が支払われるとの報道もあれば、『メジャーリーグ在籍43日以上で需給資格が生じ、1~5年、5~9年、10年以上で満額のカテゴリーがあって、そこに在籍年数に応じた金額が加算される』といったものもあります。選手会とメジャーリーグ機構の労使協定でその内容が話し合われ、若干変更されています」(前出・現地ジャーナリスト)
メジャーリーグ選手会は年金受給者を公開していないが、実働年数からみれば、満額支給を勝ち取った日本人選手はイチロー、野茂英雄、松井秀喜、大家友和、ダルビッシュ有の5人だけ。前田は今が踏ん張りどころなのである。
(飯山満/スポーツライター)
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