サッカーにおけるIQは「サッカーIQ」と呼ばれ、近年になって重要視されている能力だ。状況判断が早くポジショニングがいいなど、いわゆる頭の良さを表している。
では、そのサッカーIQが高い選手は誰なのか。元日本代表の鈴木啓太氏が10人を選んだのだが、そこに超意外な選手の名前があった。田中マルクス闘莉王、中村俊輔、青山敏弘、中村憲剛、エジムンド、小野伸二、内舘秀樹、遠藤航、遠藤保仁と、誰もが納得の選手が並ぶ中、福田正博を指名した理由を、前園真聖氏のYouTubeチャンネルで明かしている。
「僕は一緒にプレーしたことがある。福田さんが皆さんにどう見えているのかわからないけど、すごく考えてプレーしている。PKで点を取ったなんて言われてますけど、常に考えているからそのポジションを取れている。どうやったらゴールに直結したプレーをできるか、ということを考えている」
前園氏は「うるさいおじさん」と呼び、本能でゴールを奪うハンターのような選手だが、実際は違うと鈴木氏は力説。サッカーIQの高さ示すエピソードを続けて明かした。
「これは福田さんから聞いた話なんですが、ウーベ・バイン(1994年から1996年まで浦和でプレーしたドイツ代表選手。福田に多くの決定的なパスを供給)から『とにかく相手選手と相手選手の間に走れ。そしたらボールが出てくる』と言われたそうです。でも相手と相手の間に走るのは、考えていないと絶対にできない。ゴールから外れてもいけないし。だから福田さんは常にワンタッチ、ツータッチでゴールが取れるか考えている。これはサッカーIQの高さなんじゃないかな」
だが視聴者に納得してもらえないと感じたのか、鈴木氏はさらにイチ押しする。
「福田さんが若かった頃は、ドリブルがすごかった。その後も点を取れる選手って、ポジション取りとかよく考えてプレーしてるからだと思う。それができている福田さんは、サッカーIQが高い」
福田氏は現場を離れ、現在は解説者として活躍中。サッカーIQの高さを発揮する場所がないのは残念だ。
(鈴木誠)