スポーツ
Posted on 2025年06月07日 09:58

【サッカー秘話】鈴木隆行の「超男気伝説」被災地のために「無報酬アマチュア契約」でプレーした

2025年06月07日 09:58

 2002年W杯日韓大会の初戦ベルギー戦でゴールを決め、日本サッカー史に名を刻んだ鈴木隆行氏が自身の意外なキャリアを、鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルで明らかにした。

 鈴木氏は鹿島アントラーズでプロとしての経歴をスタートさせ、ブラジルのクラブチームやジェフ市原、川崎フロンターレ、そして欧州のクラブチームと、多くを渡り歩いた。

 2008年にアメリカのポートランド・ティンバーズに入団。チームは2011年から、メジャーリーグサッカーに参入することが決まっていた。そこで鈴木氏は2010年いっぱいで現役を引退し、コーチとしてクラブに残るつもりだったというのだ。

 2011年3月、アメリカで契約を詰めていると、ある事情で日本に帰ることになる。

「帰った次の日に、東日本大震災が起きた。みんなも知ってるように、ああいう状況になったので、今度は気持ち的にアメリカに帰れなくなった。家族を置いて戻りたくないし、すごく怖いのもあったから、アメリカで何かやる気持ちが薄れてきて、落ち込んでしまった。この状況が何カ月も続いて、地元の茨城県も被災していたので、地元で何か協力したい気持ちが強くなった」

 自分にはサッカーしかないと感じていた鈴木氏は、サッカーで協力できることはないか、地元のチームのどこかを助けたいと考え、水戸ホーリーホックに協力することを決める。

「すぐ柱谷哲二監督に連絡したら『とりあえず来い』みたいになって、話し合いをしてる最中に『お前、選手でやれ』って話になった。ボランティアスタッフとして手伝いたいと思っていたのに、選手はできない。それは無理ですよってなったんだけど、『できなかったらできなかったで辞めていいから、とりあえず選手でやれ』と言われた。でも給料はさすがにこんな状況でもらえないです、ということで、その勢いのまま無報酬というか、アマチュア契約で選手を続けることになった」

 こうして日本代表のエースだった選手が、無報酬でプレーすることになったのである。被災した地元のためにボランティアで戦うとは、男気を感じさせるではないか。

(鈴木誠)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク