社会

【憤激ルポ】「パスポート更新オンライン申請」にまさかの罠!「手書きの申請書を窓口に持ってこい」ってよ

「マイナポータルでパスポートのオンライン申請が便利!」

 こんな謳い文句に誘われ、筆者は意気揚々とパスポート更新手続きを進めようとした。しかし、現実は甘くなかった。いや、甘くないどころか、マイナンバーカードによるデジタル化推進の裏で、とんでもない「アナログの罠」が潜んでいたのだ。

 コトの発端は、オンライン申請を進める中で表示された「本籍情報が異なります」のメッセージ。そう、過去に本籍を変更したことを、すっかり忘れていたのだ。ここまでは自分のミスである。

 デジタル化の最先端をいくはずのマイナポータル、てっきり「記載事項変更」から進めば、最初の申請は自動で取り下げになるのだろうと、高を括っていた。

 だが、現実は違った。数日後、筆者の携帯電話に見知らぬ番号からの着信が。出てみると、旅券事務所だった。

「お客様、パスポートの申請の件でご連絡いたしました。本籍情報が異なりますので、申請を取り下げた後、改めて新規申請してください」

 開いた口が塞がらないとは、まさにこのこと。デジタルで申請を受け付けておきながら、システムの不備で本籍が違うと表示されたら、まさかの電話で「やり直せ」指示。しかも、その取り下げ方法がこれまた、時代錯誤も甚だしい。

「申請取り下げ書をダウンロードし、手書きで記入の上、窓口まで持参してください」

「はぁ? オンライン申請できるって言ったのに」

「はい、取り下げ書はオンラインで提出も可能です」

 渋々、取り下げ書を印刷し、久々にペンで書類を書き上げた。そして、オンラインでアップロードできると聞いたはずのマイナポータルの画面をくまなく探したが、「アップロード項目」はどこにも見当たらない。再び旅券事務所に電話してみると…。

「その場合は窓口持参でお願いいたします」

 結局、手書きの申請取り下げ書を持って、重い足取りでパスポートセンターの窓口へと向かう羽目になった。オンライン申請のはずが、電話で呼び出され、結局は窓口に足を運ばされるという二度手間、三度手間だ。

 政府は「デジタル庁」を立ち上げ、「マイナポータル」を筆頭に、様々な行政手続きのオンライン化を強力に推進している。しかしその実態は「便利さ」の皮を被った「超不便」の極みではなかろうか。

 オンライン申請した情報は、オンラインで修正と取り消しができるようにするのが当然。「国民の利便性向上」を謳うのであれば、まずはこうしたアナログとの連携部分を徹底的に見直すべきである。

(旅羽翼)

カテゴリー: 社会   タグ: ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
巨人・甲斐拓也「自信満々の交流戦データ」がまるで役立たず…1イニング複数失点の「起用問題」
2
3A自由契約の藤浪晋太郎獲り「自粛ムード」を生んだ日本ハムの「チーム内ウハウハ事情」
3
「アッコにおまかせ!」から芸能ニュースが消えた…和田アキ子の「無自覚な舌禍」を阻止せよ
4
広瀬すずの代表作「ちはやふる」で先にキャスティングされていたのはのんだった/代役女優の「替えが利かないブレイク魔術」(3)
5
「ロボット審判」導入に江川卓が異議!長嶋茂雄と球審の「ド真ん中をボール」判定事件が…