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記事全文を読む→化け猫・猫又・猫魈…犬に比べてなぜ多いのか…夏の怪談に出てくる「猫の妖怪」日本と世界の事情
8月8日は「世界猫の日」だった。動物愛護団体「国際動物福祉基金」が2002年に「International Cat Day」として制定したものだ。猫と人間の友情、そして猫の大切さと保護について理解を深める日とされる。みなさんはどうだっただろうか。
さて、近年は大半が室内飼いになったことに加え、キャットフードの進化により、猫の寿命は飛躍的に伸び、その平均は16歳前後だとされる。
ただ、その昔は、10年も生きた猫は「化け猫」になり、20年生きると、二本足で立ち歩き、人間に化ける能力を持つ「猫又」という妖怪に変身。さらに30年以上も生きると、猫魈(ねこしょう)という化け物に進化するという説が、まことしやかに信じられていた時代があった。
日本各地では古くから、身の毛がよだつような伝承や民話が語り継がれてきたが、寝苦しい夏の夜の定番といえば、ヒヤッとする肝試しや怪談。中でも多いのは、猫の妖怪にまつわるものだ。
越中国(富山県)の黒部峡谷に出現したと伝えられる猫又に加え、飼っていた猫を殺したことで精神異常をきたし、財産すべてを失ってしまったという伊予国(愛媛県)の猫憑。
また、肥前国(佐賀県・長崎県)には佐賀藩藩主の鍋島光茂により殺害された家臣と、そのあとを追って自害した母親の血を舐めた飼い猫が、城内で夜な夜な光茂を苦しめるという、「鍋島の化け猫騒動」が有名だ。
ここで気になるのは、犬に比べてなぜ、猫にまつわる怪談が多いのか、だ。一説には、猫は夜行性であるため暗闇でも目が光り、瞳の形が変化するからで、歩く時は足音を立てず、高いところへも一瞬で飛び乗る身軽さがある。しかも鋭い爪を持つため、妖怪として描きやすかったのではないか、と。
その証拠に、鎌倉時代に書かれた「明月記」には、すでに人間を食い殺す猫の妖怪が登場。その後も古典の怪談や随筆には「猫又」や「化け猫」といった妖怪が、たびたび出てくる。
ちなみに、猫の妖怪は日本だけでなく、世界各地に幅広く存在する。中国には、3年飼われた猫が月のエネルギーを吸い取って妖怪に変身し、美青年や美女に化けては人々をたぶらかす「金花猫」の伝説がある。
インドでは墓場に住みつき、怪しい妖力で夜な夜な死体を操るという鬼神の一種「ベータラー」が。
エチオピアにも、ライオンのような胴体に鋭い牙を持つ、人食い化け猫妖怪「マンティコア」の怪談が語り継がれている。
ただ、海外の化け猫は妖怪というより怪物的な色合いが濃く、日本特有の「人の恨み」が形となって現れたものや、残忍な殺され方をした猫が恨みを持って化けた…などというものとは一線を画している。
(灯倫太郎)
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