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記事全文を読む→大谷翔平とは対極にあるイチローの「野球観」新潟の高校球児に語った「野球を楽しむという言葉は理解できない。気持ち悪くて」
「楽しい? その言葉がいちばん、わからないんです」
イチロー氏のこのひと言を、どう解釈したのだろうか。
マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターとして新潟県の中越高校を訪れたイチロー氏は11月8日と9日の2日間にわたり、高校球児を直接指導。そこで語られたのは「楽しむ野球」への違和感だった。
日米で前人未到の成績を残したバットマンは、キッパリと言い切った。
「プロに入って18、19、20歳の3年間は純粋に楽しかった。やればやるほど上達していく実感があった。レギュラーになってからは責任が重くなって、楽しさはなくなった。立場が代わって責任感が大きくなっていくと、楽しさは全くなくなった。最近、楽しもうよという風潮が高校生にもあるけど、僕は気持ち悪くて。楽しさは先にある。鍛錬を重ねて結果が出た時が、本当の楽しさ。楽しむという言葉は理解できない。強めに言えば、嫌いな言葉」
長年にわたって日米の第一線で戦い続けたイチロー氏らしい、ストイックな信念だ。
一方、同じくメジャーの頂点に立った大谷翔平は、全く異なる価値観を持つ。花巻東高校時代に作成した「目標達成シート」には「メジャーリーガーになる」「10年後に家族を持つ」と並んで「野球を楽しむ」という一文がある。2023年のWBC優勝後のインタビューでは「プレッシャーの中でも野球を楽しめるように、自分をリセットする」と語り、休日は家族や愛犬と過ごして心を整えると明かしている。
イチロー氏が「苦しみの先に成長がある」と語るなら、大谷は「楽しさの中に強さがある」と示している。対照的に見える2人の考え方だが、目指す場所は同じだ。どちらも野球に真剣に向き合い、限界を超えようとする覚悟の表れである。イチロー氏は努力の中に喜びを見い出し、大谷は楽しむことで努力を続ける力を得ている。
時代が変われば、野球との向き合い方も変わる。かつては「苦しみに耐えること」が美徳とされたが、今の時代に求められるのは「楽しみながら続ける力」だ。野球離れが進む今こそ、子供たちが「もっとやりたい」と思える野球に出会える環境を作ることが大切だ。そこから次の時代を担うスターがきっと、生まれてくる。
(ケン高田)
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