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Posted on 2025年08月15日 06:30

カンヌ出品作なのに…中国当局が大慌てで「全面上映禁止処分」にした「今も農村部で人身売買」ドキュメンタリー映画が日本公開!

2025年08月15日 06:30

 今年を戦後80年にあたる「抗日戦争勝利80年」と位置づける中国では、「南京写真館」などの反日映画やドラマが上映され、各地で写真展も開催。連日、多くの観客が訪れているという。
 そんな中国で、当局の検閲により国内全面上映禁止処分を受けた、ある問題作が9月上旬から日本で上映されることになった。

 この映画は第60回カンヌ国際映画祭に出品されるも、当局から約20カ所に及ぶダメ出しを食らい、カットさせられた末、封印を余儀なくされた「盲山」。物語は「割のいい仕事がある」という甘い言葉に釣られた女子大生が、人里離れた山奥の村に連れていかれ、村に住む40歳独身男の花嫁にさせられる。つまり、人身売買業者により「花嫁」として売られた主人公に襲い掛かる、恐怖と苦悩を描いたものだ。

 とはいえ、人身売買をテーマにした作品に、特段の目新しさは感じない。なぜ中国当局は、そこまでこの作品に目くじらを立てるのか。その理由を中国文化に詳しい国際問題アナリストが解説する。

「中国では、一人っ子政策が本格化した1980年代以降、超音波検査による胎児の性別診断技術が発達しました。とりわけ男児を望む傾向が強かった農村地域では、妊娠中に胎児が女児と判明した場合、人工中絶するケースが相次ぐことになったのです。その結果、1980年代に出生した中国人女性100人に対し、男性の数は136人。単純計算で、36人は結婚できないことになる。このままの状況が続けば、今後30年で結婚できない男性は3000万人に上る、との試算があります。中国ではこれらの男性は『余剰男』と呼ばれており、実は近年、中国全土でこの余剰男らによる、女性や子供の誘拐や人身売買、性犯罪などが急増して社会問題になっているんです」

 2016年に一人っ子政策が廃止されてからもなお、その習慣が残った地方の農村部には圧倒的多数の余剰男がいるとされ、彼らの日常的な慣用語は「嫁を買う」。現在も人身売買や拉致監禁が平然と行われている、という噂が絶えないゆえんである。

 つまりこの映画は、中国政府が表に出したくない、今の中国地方都市が抱える暗部を、あからさまに描いてしまったということになる。
「だから当局としては、いかにカンヌ出品作であろうが、検閲してこれでもかと言いがかりをつけ、上映中止に追い込むしかなかった」(前出・国際問題アナリスト)

 実はこの映画は日本で1週間限定上映されたのだが、あまりに反響が大きいため、9月5日から日本全国で順次、公開されることになった。
 中国当局には「反日映画」で煽動する前に、まずは自国の現状を人民に知らしめるべき…などと言ったところで、国民を厳しく監視、情報統制する独裁共産主義国家に、できるはずはなかろう。

(灯倫太郎)

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