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Posted on 2025年09月15日 10:30

Jリーグ優勝争い「決め手なし」でひしめく大混戦6チームの「可能性」と「重大なカギ」

2025年09月15日 10:30

 Jリーグの優勝争いは、残り10試合を切った現在でも大混戦。1位から6位までが、勝ち点わずか4差でひしめいている。7位の川崎フロンターレ、8位の浦和レッズにも優勝の可能性があるが、ここまでの戦い方を見ると、やはり優勝は上位6チームの争いとみた。

 大混戦を招いた原因は、どこのチームにも混戦から抜け出す決め手がなかったこと。まさに本命なき大混戦と言っていい。

1位 京都サンガ(勝ち点55)
2位 鹿島アントラーズ(同55)
3位 柏レイソル(同54)
4位 ヴィッセル神戸(同54)
5位 町田ゼルビア(同51) 
6位 サンフレッチェ広島(同51)

 首位に立つ京都と2位の鹿島は天皇杯、ルヴァンカップで敗退しており、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)にも出場していないことから、日程的にもラクで、リーグ戦一本に集中できるのは大きい。上位2チームが優勝に最も近いのは事実だ。

 3位の柏は昨季、最終戦で残留を決めたチーム。それが今季はリカルド・ロドリゲス監督が就任すると、ポゼッションサッカーで常に上位に顔を出し、安定した強さを発揮している。抜け出せなかった理由は、上位陣との対決で一度も勝てなかったことが大きい。残り試合でもまだ上位対決は残っている。そこを乗り越えれば、優勝の可能性はある。

 4位の神戸はリーグ戦、ACL、天皇杯と過密日程が課題といわれているが、昨季もこの三つの大会を経験し、リーグ戦と天皇杯の2冠に輝いて、ACLもしっかりと勝っていた。過密日程を理由にするようなチームではないし、その過密日程をどう戦うかを考えられるチームだ。

 5位の町田は一時期、完全に優勝争いから脱落しかけていた。そこから破竹8の連勝で、再び優勝争いに加わってきた。昨季、初のJ1昇格で快進撃を見せ、最終戦まで優勝を争ったが、鹿島に1-3で敗れて3位に終わった。だからこそ、今季に懸ける思いはどこのチームよりも強い。

 6位の広島はリーグ、天皇杯、ACLに加え、ルヴ3ァンカップも残っている。神戸よりも過密日程ではあるが唯一、国内3冠の可能性を残す。4年目のミヒャエル・スキッべ監督としても、結果が欲しいシーズンだろう。

 では、優勝のカギを握るのは何か。
 今季のJリーグは点が入らない。優勝を争っているチームの中で、1試合に2点以上取っているチームはいない。抜け出すためには勝ち点1ではダメで、勝ち点3が必要となる。それには勝つしかない。勝つためには点を取らないといけない。つまりは決定力だ。

 京都にはラファエル・エリアス、鹿島にはレオ・セアラという、得点王を争っているストライカーがいる。柏は絶対的なストライカーはいないが、どこからでも崩せる。
 3連覇を狙う神戸は、昨季のMVP武藤嘉紀が腰椎椎間孔狭窄の手術で長期離脱したのが痛かった。これからどこまでコンディションを戻せるか。一昨季の得点王&MVPの大迫勇也とともに万全ならば、点の取り方は知っている。
 町田は8連勝の立役者である相馬勇紀が攻撃の中心。彼にどれだけいい形でボールを持たせることができるか。

 そして広島。昨季は総得点72点とリーグ最多だったが、今季は少ない。ただ、開幕早々に故障で長期離脱していたトルガイ・アルスルランの復帰が近い。昨夏に加入して14試合で8得点を決めたストライカー。彼の復帰は大きい。

 ただ、どのチームにも、抜け出すだけの絶対的な力はない。昨季、最終戦までもつれ込んだ優勝争いだが、今季ももつれそうだ。その注目の試合は京都VS神戸、柏VS町田と大一番になる可能性のあるカードがある。今季も最後まで、Jリーグから目が離せない。

(渡辺達也)
1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップ・アジア予選、アジアカップなど、数多くの大会を取材してきた。

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