社会
Posted on 2025年10月03日 18:15

バスクリンを「今年いっぱいで事業終了」に追い込んだ「爆買い転売ヤー」をぶっ潰せ!

2025年10月03日 18:15

 昭和の入浴シーンに欠かせなかった「バスクリン」を製造する株式会社バスクリンが10月2日までに公式サイトを更新し、今年12月31日をもって事業終了すると発表した。来年以降はアース製薬の完全子会社となり、「バスクリン」や「きき湯」「日本の名湯」などの入浴剤事業はアース製薬に引き継がれるという。

 バスクリンの歴史は古い。「津村順天堂」の創業者・津村重舎が1893年、東京・日本橋に漢方薬局を開いたのが始まりだ。1897年に津村の出身地で伝承された秘薬を元に日本初の入浴剤、婦人保健薬「くすり湯 薬剤中将湯」を発売した。

 津村順天堂は2006年に、漢方薬を扱うツムラと生活商品を扱うツムラサイエンスに分社化。ツムラサイエンス社は2010年に現在の株式会社バスクリンに変更していた。なお、旧社名の津村順天堂と順天堂大学病院には何の関係もない。

 バスクリンの事業終了には「思い当たること」がある。ここ数年、期間限定品を求めて薬局に行くと、すでに売り切れ。地方の薬局や転売ヤーが通販サイトや転売サイトで、定価の3倍から4倍の高値で売っていた。

 さらにバスクリンの容器は徐々に小さくなり、今年の夏は12回分が発売された。毎日使うものだけに猛暑が続いたこの夏、いったい何本買わねばならなくなるのか…と。
 結果、バスクリンは通販サイト、転売サイトで1000円、2000円を超える高級品となり、購入する機会を失っていた。

 別ブランド「きき湯」はフィギュアスケートの羽生結弦を応援、羽生の電撃結婚と離婚をめぐって女性ファンが離れたのは、同社にとって運がなかった。

 転売ヤーを刺激する「期間限定商品」は消費者にとって、迷惑以外の何ものでもない。そして転売ヤーのせいで、長年にわたり商品を愛用してきた消費者と老舗企業が分断される。価格が吊り上がった分、企業が儲かるわけではない。

 バスクリンはアース製薬との合併で落ち着いたが、人気商品を扱う企業では中国人爆買い集団が買い占める業務妨害⇒企業の業績悪化⇒中国資本による日系企業乗っ取り…という最悪のシナリオが想定される。

 株式会社バスクリンの事業を継承するアース製薬にはぜひとも、憎っくき転売ヤー対策をとってほしい。

(那須優子)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/9/30発売
    ■530円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク