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「10月は何が起こるか分からない」
これはドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長が9月15日(現地時間)に放ったセリフだ。「10月」とはポストシーズンマッチを指しており、「地区優勝はできて当然。ワールドシリーズ制覇を果たして初めて勝ったと言えるチーム」の編成トップらしい発言だった。
これに呼応するように、翌日の試合後、大谷翔平が「どこでもいけと言われれば、対応できる準備をしたい。それがマウンドでも外野でも」と語っている。
「9月中旬は、ドジャースのリリーフ陣が相次いで大炎上し、大ピンチでした。地区優勝は時間の問題でも、ポストシーズンマッチは危ないと目されていました。大谷がリリーフ登板したり、DH制を解除して外野を守る場面が出てくるのではないかと、当時は予想されていました」(現地記者)
そんなチーム状況を救ったのは、佐々木朗希のリリーフ登板だ。しかし今回のワールドシリーズでは大谷が緊急でリリーフ登板し、外野守備に入る可能性はゼロとはなっていなかった。
「ワールドシリーズの相手がブルージェイズに決まりました。ドジャースはロースコアの試合展開も念頭に入れています」(前出・現地記者)
それはブルージェイズの投手陣が際立ってスゴイから、ではない。敵将ジョン・シュナイダー監督の采配を予想してのことだった。
「一昨年のヤンキース戦でした。走者ナシの場面でも主砲のアーロン・ジャッジを申告敬遠させたんです。1試合で3度もジャッジを敬遠させた試合すらありました。とにかく慎重に慎重を重ね、安全策を講じていくタイプです」(前出・現地記者)
シュナイダー監督は2022年のシーズン途中から指揮を執った。ブルージェイズの本拠地があるカナダのメディアによれば、就任当初は「イケイケ」で強気の采配だったが、それが裏目に出て、選手から「あの場面は敬遠すべきだった。なぜ?」と猛抗議を受けた。以後、人が変わったような慎重派に転じたそうだ。
その猛抗議を受けた試合は、2023年7月28日のエンゼルス戦。「敬遠すべきだった」と選手たちに言わせたのは、当時の大谷の一発。試合は4-1でブルージェイズが勝利しているが、打たれたケビン・ゴーズマン投手は、立ち直るまでちょっと時間がかかったそうだ。
そんな「大谷にトラウマを持つ」シュナイダー監督であれば、走者ナシの場面でも敬遠してくるだろう。いや、ドジャースの主力打者は誰も勝負してもらえない可能性すらある。事実、ドジャース首脳陣は「1点をもぎ取って、逃げ切る展開」を念頭に入れている。そのための継投策であれば「DH制解除で大谷のリリーフも」との予想があるのだ。
ちなみに、シュナイダー監督は元捕手のマイナープレーヤー。「捕手出身で慎重派」と言うと、西武の森祇晶元監督が思い出される。大谷は1994年生まれだから、1980年代の西武ライオンズ黄金期を知らない。「アメリカ版・西武野球」にどう立ち向かうのか。やはり10月は何が起きるのか分からない。
(飯山満/スポーツライター)
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