社会
Posted on 2025年11月06日 18:30

新語・流行語大賞ノミネート「おてつたび」を実体験した人たちの「働きながら旅する」明と暗のホンネ

2025年11月06日 18:30

 今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされた30語の中に、「おてつたび」という言葉がある。「お手伝い」と「旅」を合わせた造語であり、地方の人手不足に悩む事業者と、働きながら旅を楽しみたい人をつなぐ仕組みを差す。農家や旅館、ホテルなどの現場で短期的に「お手伝い」をするというものだ。

 中心となるのは、20代の若者。リモートワークやワーケーション文化の広がりで、「働く場所に縛られない生き方」を求める層に人気が高い。一方で、定年後のシニア世代が「第二の人生で地域の役に立ちたい」と参加するケースも増えている。

 一見すると「旅しながら社会貢献」という理想的な響きを持つが、実際の現場では思わぬギャップが生まれていた。主な仕事は旅館の掃除や配膳、農作業の手伝いなどで、体力を要する業務が少なくない。あるシニア参加者が振り返る。
「ハードな仕事が多くてほとんど休めず、旅を楽しむ余裕はありませんでしたね」

 別の参加女性も、こう言って苦笑するのだった。
「中腰の姿勢で長時間、働いて腰を痛めたけれど、当然ながら労災はおりなかった」

「お手伝い」という言葉は軽やかに聞こえるが、実態は短期労働に近い。報酬は交通費や宿泊費込みのケースが多く、労働とボランティアの境界が曖昧だ。事業者にとっては助かる仕組みである一方、働く側の安全・労務管理が十分でない場合があるという。
 とはいえ、現場の体験を通じて「地方の魅力を再発見した」「人とのつながりができた」と評価する人は多く、参加者の満足度は決して低くはないようだ。

 働き方の価値観が多様化する中で「旅をしながら社会と関わる」という選択肢は今後、さらに広がっていくことだろう。業務内容や待遇の明確化、安全面への配慮など、安心して参加できる環境作りが、今後の課題となる。

(旅羽翼)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年03月11日 06:45

    スマホの通知に追われる日常から、少し距離を置く。そんな「デジタルデトックス」では、若者が編み物や日記、フィルムカメラといったアナログ趣味にハマるケースが報告されているが、この流れは中年層にもじわじわと波及している。その背景にあるのは、仕事で...

    記事全文を読む→
    芸能
    2026年03月18日 14:00

    3月17日の明治学院大学白金キャンパスは、卒業式に出席したスーツ姿の男子学生や袴姿の女子学生で華やいでいた。その中でも、花柄ベージュ色の袴でひときわ目を引いていたのが、元「モーニング娘。」の北川莉央である。アイドルウォッチャーが解説する。「...

    記事全文を読む→
    芸能
    2026年03月19日 07:45

    4月29日公開予定の映画「SAKAMOTO DAYS」。原作は「週刊少年ジャンプ」で連載中の鈴木祐斗による漫画で、ストーリーは次のような感じだ。「かつて伝説の殺し屋として恐れられていた男・坂本太郎は、ある女性に恋したことを機に殺し屋を引退。...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/3/17発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク