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記事全文を読む→キングコング・西野亮廣のアニメ映画「えんとつ町のプペル~約束の時計台~」座席消化率たった7%に追い打ち「レビュー不発」騒動
3月27日に全国公開されたアニメ映画「えんとつ町のプペル~約束の時計台~」が、いきなり厳しい船出を強いられている。初日の推定興行収入は約3800万円。公開最初の週末も推定興収は約1億900万円にとどまり、国内映画ランキングは初登場6位だった。
チケット販売数の集計サイトによれば、土日2日間の座席数は約59万席と、全作品中トップクラスの規模で用意されたにもかかわらず、販売数は約4万2000枚。座席消化率はわずか7%ほどで、全国の劇場にガラ空きの座席が目立った計算だ。前作は公開初週末の土日だけで興収2億700万円を稼いでいる。単純比較でほぼ半減、勢いの落差は歴然だ。
原作者でプロデューサーの西野亮廣(キングコング)が公開前に「興収100億円への覚悟」と強気に語っていたことを考えると、そのギャップはあまりにも大きい。100億円どころか、前作の27億円超えすら黄信号が灯った格好だ。
苦しいスタートに追い打ちをかけるように、ある騒動が火を噴いた。映画レビューサイト「Filmarks」で、「えんとつ町のプペル」のレビュー欄を覗いたユーザーが、次々と声を上げたのだ。
星5つをつけているアカウントのプロフィールを開くと、評価している作品が「えんとつ町のプペル」1本しかないものが目立つというのだ。西野が自身の配信で「口コミ戦だ」と号令をかけたことを受け、オンラインサロンのメンバーが一斉に動いた組織票ではないか、との見方が広がっている。
ところがこの「作戦」は、あえなく不発に終わる。Filmarksが毎週発表している「初日満足度ランキング」は、メンバー登録から一定期間サービスを利用しているユーザーの投稿だけを集計する仕組みになっている。いくら作品ページの評価欄を星5で埋めたところで、このランキングには少しも反映されないのだ。熱意は買うが、詰めが甘かったと言うほかない。
この作品を語る上で避けて通れないのが「カネ」の話だ。本作には事業投資型クラウドファンディング「セキュリテ」を通じて、約4億8000万円もの出資が集まっている。1口5万円で参加できるこのファンドは、いわゆる「応援して終わり」の寄付型ではない。映画の売り上げに応じた分配金が出資者に支払われる投資型で、映画がコケれば出資金は丸損になりかねない。
ファンドの公式シミュレーションによれば、出資者が元を取るには興行収入が約21億9000万円に達する必要がある。前作の27億円という数字を見れば不可能ではないように思えるが、今回は初動の勢いがまるで違う。
映画業界では「初日興収の10倍から15倍が最終着地の目安」という経験則がよく語られる。初日3800万円にこれを当てはめると、最終興収は2億8000万円から5億7000万円となり、21億円超とは途方もない開きがある。もちろん、ロングランや追加施策で上振れる可能性はゼロではないが、身銭を切った出資者にとっては胃の痛い日々が続きそうだ。
とはいえ、である。本作のアニメーション制作を手がけたのは「鉄コン筋クリート」「海獣の子供」で知られる、スタジオ4℃。作画のクオリティーは文句なしに素晴らしく、背景美術の緻密さやキャラクター造形の繊細さは、劇場のスクリーンで見る価値が十分にある。
興行の数字やネットの喧噪とは別の次元で、クリエイターの仕事は確かに輝いている。その事実だけは、きちんと書き留めておきたい。
(ケン高田)
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