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記事全文を読む→原田龍二「誰がなんと言おうと霊はいる!」〈今週の龍言〉ドッキリの「ブック」は受けて立ちます
今回は「ドッキリ番組」についてお話しします。今まで数多のドッキリ番組から出演依頼がありました。一時は3カ月で7〜8本収録したこともあって、その時はさすがにドッキリ恐怖症になりましたね。そういった過去の経験からドッキリの不自然さをキャッチするアンテナが働くようになりました。
昨年、「主治医が見つかる診療所」的な芸能人の健康チェック番組からのオファーがあったんです。まずは収録前に僕の口内を事前にチェックしたいということでした。
「ん? そんな番組あったかな?」
クエスチョンマークで頭がいっぱいのまま、東京・表参道にある歯科医に行くと、カメラマンやディレクターなしで診察室に僕だけ通されました。中にはバッチリとメイクを施したノーマスクの歯科衛生士の女性。
「歯科衛生士がノーマスク?」
疑惑が確信になってくるわけですよ。ただ、ここで勘づいた素振りを見せると番組はお蔵入りになってしまう。過去に経験があるんです。温泉番組というテイでロケに行き、男湯で温泉に浸かっていると、突然「女湯に変わります」とアナウンスが流れて「どうしよう、どうしよう」という間に女性が入ってきて警察に通報されて捕まるという流れ。それを察知してネタをばらしたらお蔵入りになったんです。
その同じ轍は踏んではならない。レスラーとしてこの試合は受けて立つ。「今日はブック」だと。ドッキリとわかっていても、どうにか試合を成立させなきゃいけない。いかにわかってないように見せるかの勝負です。
その疑惑の歯科衛生士は僕の歯石をチェック。開始早々おっぱいを頭に密着させてきました。さすがに早い。もうちょっと普通に診察すればいいのに。こんな状況で胸の谷間を押しつけられても興奮するわけがない。しばらく様子を窺っていましたが、
「密着しすぎじゃないですか?」
と、ジャブを入れてみました。エロすぎて引くような芝居だったらまずいし、何も言わないのもおかしい。
ジャブの後どんな感じで来るかと思った矢先、もう1人、胸元がはだけたノーマスクの歯科助手がやってきて2人がかりでおっぱいを押しつけながら歯石を取るというありえない展開に。
「歯石が固いですね」
「すっごい〜固い〜」
ツープラトンのエロ攻撃はエスカレート。
「先生、歯石ってそうやって取るもんですか?」
「あまりにも歯石が固くて。これはイケるかも。イク! イキそう…」
こうなると2人とも台本通りのエロいセリフを言わなきゃいけない展開ですから、全部ぶっこんでくるわけです。
収拾がつかなくなってカメラマンとディレクターが入ってきて、ネタばらし。ここで僕の〆の言葉。
「あまりにも密着するんでね。そういう歯医者さんなのかなと。都会は違うなと思いました」
で、なんとかソフトランディングして終了。どんなコメントをすればいいのか。人間の頭はこんなにも回転するのか、というぐらい考えましたね。いわば詰将棋。これ以外の受けはなかったような気はします。
普段からマネージャーに「ドッキリはそのまま騙されたいから言わないで」と伝えてます。
ドッキリとわかってて演じることもできますが、寒い思いするのが嫌なんですよ。視聴者に「これ、原田わかってやってんだろ」と思われるほど屈辱的なことないですからね。
一方、完全に騙されたこともあります。高知・四万十川で撮影した「うわっ!ダマされた大賞」(日本テレビ系・2021年7月放送)の大がかりなドッキリです。
四万十川で川下りしている船頭さんが目撃したカッパの話を聞くというUMA&スピリチュアル系の番組という設定でした。前乗りだし、このロケをすごく楽しみにしていました。
朝、撮影場所の四万十川に行くと川沿いは森です。森の奥から鹿狩りをしている猟銃の物騒な銃声が「パーン、パーン、パーン」と激しく鳴り響いてました。
そんな中、ロケが始まり和やかに船頭さんと話してたら、船頭さんが「パーン」と撃たれて川に落ちる、まさかの展開に。僕は猟師が鹿を狙って撃った猟銃の流れ弾が船頭さんに当たって川に落ちたと直感しました。番組の意図は「原田龍二は撃たれた船頭さんを助けるのか? 助けないのか?」というもの。僕は何の疑いもなく川に飛び込んで船頭さんを助けました。川の中に入って彼を抱え上げて陸に上がる時に弾着(仕掛け)が見えたんです。そこでようやく騙されたと気づきました。
撃たれた船頭さんは役者ではなく本物の船頭さんでした。その弾着と血の飛沫が飛ぶタイミングが完璧だったんです。聞いたら船頭さんも撃たれるシーンを何回も練習したんですって。パーンと撃たれた瞬間の反射神経がドッキリの肝ですからね。撃たれて川に落ちるのも躊躇なしに大胆に落ちなきゃいけないわけです。
本当に怖かった。次は僕が被弾するんじゃないかと思ったほど。それと前日に四万十川で水死体が上がったんです。「不謹慎だからロケが中止になるかも」と危惧されてたんですが、現地の人によると「四万十川はよく土左衛門は上がる。慣れてるから大丈夫」とのことで撮影ができることになったんです。
まったくの偶然、この一件もあって、すっかり騙されてしまいました。それにしても「猟銃誤射ドッキリ」なんて、テレビでは2度とできないんじゃないですかね。今、同じ内容の番組を放送したらクレームの嵐だと思います。
こんな大がかりなドッキリに騙されない人はいないでしょう。午前中でロケは終了、せっかくだから四万十川の天然うなぎを食べて帰りました。これは騙された甲斐があったというもの。この猟銃誤射ドッキリと比べたら、歯科衛生士のおっぱい押しつけなんてかわいいもんですよ。
原田龍二(はらだ・りゅうじ)1970年生まれ。東京都出身。92年ドラマ「キライじゃないぜ」で俳優デビュー。「水戸黄門」「相棒」シリーズなど出演多数。温泉バラエティ「湯一無二」(MX)のほかユーチューブ「ニンゲンTV」ではゴーストハンターとしても活躍中
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