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記事全文を読む→中国「経済破綻」を象徴する「世界最大級の原発稼働・建設」と放射能漏れ事故「全て隠蔽」
「中所得国の罠」という経済用語がある。急成長した途上国がさらなる発展段階に差しかかったところで足踏みをし、先進国に仲間入りできない状況のことだ。
改革解放で成長を始めた中国が、さらなる発展を遂げた最大の要因は、2001年のWTO(世界貿易機関)への加盟だった。
外資企業の外貨をもとに、安価な労働力によるモノ造りで「世界の工場」に変身し、2008年のリーマンショックを乗り越え、2010年にGDPで日本に追い付いた。中国は「2030年にはアメリカを追い抜く」と、自信満々になった。
ところが2020年に世界を襲ったコロナ禍で、中国は完全封鎖を実施して内需構造を自ら破壊。そして不動産バブルが吹っ飛んだ。
年間100万件を超える中小零細企業が破綻し、空き店舗だらけのシャッター商店街、地下道で眠るホームレスが…。しかも少子高齢化が半端ではないスピードで襲っており、中国経済がアメリカを追い越す状況など、完全に消え失せた。
つまり中国は「中所得国の罠」に陥ったのだ。ここで見逃せないのが、経済成長の影に隠れて見えなかった、中国の「リスク」である。
国家主席の2期10年という任期を変更し、終身国家主席の道を開いたことが最大のリスクとみているが、ここでは原子力発電に焦点を当てたい。
世界が原発の「恐ろしさ」を初めて知ったのが、アメリカのスリーマイル島原発事故(1979年)だった。1986年のチェルノブイリ(ウクライナ)原発事故では放射性物資が国境を超えて欧州各国を恐怖に陥れ、原発反対運動が世界に広がった。
そこに東京電力福島第一原発が爆発し(2011年)、原発廃止が世界的な流れとなった。
ところがAI(人口知能)が電力需要に革命をもたらし、世界で原発の必要性が再認識されているのだ。
先進国技術の「いいとこ取り」が安全基準に不都合を生じさせた
そこで注目されているのが中国だ。現在運転中の原発が58基。驚くのは建設中の原発が少なくとも30基以上あると伝えられ、アメリカ並み、ひいては世界最大級の原発大国へと向かっていることである。
問題は安全性で、原発は建設と同時に、維持するノウハウが不可欠となる。ところが原発の急拡大は、人材不足とイコールの関係を生む。年間数基なら専門課程で学んだ大卒人員を数年で一定のレベルに育てることは可能だが、数万人を熟練にすることは至難だ。
しかも中国の原発はアメリカ、フランス、カナダ、日本など先進国の技術の「いいとこ取り」の集合体である。設計思想(概念)が統一されていないので、安全基準に不都合が潜む。これが「いいとこ取り」の実態だ。
中国は高官の判断が科学データより優先する、「党」が支配する国だ。これまでに放射能漏れの事故をたびたび起こしているが、素直に公表したことがない。小さな事故の隠蔽はやがて、重大な事故へと繋がる。
チェルノブイリの最大の教訓は、事故の隠蔽が被害をヨーロッパ大陸一帯に広げたということにある。不況克服を急ぐあまり、原発への過信がさらに中国をドン底へと向わせるように思えてならない。
(団勇人)
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