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記事全文を読む→原田龍二「誰がなんと言おうと霊はいる!」〈今週の龍言〉役作りはNGなし!! 実録凶悪犯役のオファー待ってます
今回は役作りについてお話ししたいと思います。戸田恵梨香さんが占い師・細木数子さんを演じた配信ドラマ「地獄に堕ちるわよ」(ネットフリックス)がヒットしているとか。20歳になる娘も「パパ、このドラマ知ってる?」と聞いてきたくらいですからね。
このドラマで戸田さんがスリムのまま細木さん役を演じたことがネットで話題になっていました。ひょっとして「細木さんのように太らなくてもいい」「あなたのオリジナリティーで勝負してください」とスタッフから言われたのかもしれないですね。部外者の僕に真相はわかりませんけど。
では、そういった「代表作」になるような魅力的な役をオファーされた場合、原田龍二ならどうするのか? 前回も申し上げましたが、僕は褒められるために生きています。ほとんどの人がそうだと思うんですよ。口に出して言わないだけでね。だから、
「ガリガリの文豪の役なんですけど‥‥」
と言われたら収録日までにガンガンに瘦せて現場に臨みますよ。だって褒められたいから。
「原田、痩せすぎだけど大丈夫?」
と心配されるぐらい過剰にやると思いますね。ただ、今までそういうオファーがまったくないのでやってませんけど。
やっぱり変化したいんですよ。変わったものをやりたいし、自分と全然違う役をやりたい。そのためには眉毛ない役だろうが、丸坊主だろうが、求められれば喜んでやります。演者としてNGはありません。ただ痛みを伴うのは嫌ですね。
「全部の指に爪がない役なんですが‥‥」
そんな役はないと思いますけどね。
以前にもお話ししましたが、僕は自分のこの顔に飽き飽きしているんです。両親には申し訳ないけど。別の人間になりたい願望があるんですよね。
「あれ、原田龍二出てたんだ?」
というような役をやりたい。過去に1度だけ舞台でそう言われたことがありました。ちょっと特殊なカツラを被った役だったんですけどね。でもお客さんは事前にパンフレットを見てるから、僕が出演することを知ってます。
「原田、どこで出てたんだろう?」
出番が少ないからわかんなかったってことじゃなくて、メインで出てるのにわからないのが、うれしかったですね。それだったらもう大成功じゃないですか。役者冥利に尽きます。
今年5月に公開された映画「スマッシング・マシーン」ではザ・ロックことドウェイン・ジョンソンが、毎日の撮影前に約4時間かけた特殊メイクで完全に格闘家のマーク・ケアになりきって話題になりました。
一方で、尊敬する里見浩太朗さんが87年の年末時代劇スペシャル「田原坂」(日本テレビ系)の西郷隆盛役で8キロ太ったのは51歳の頃。「デニーロ・アプローチ」じゃないですけども、役者は徹底した役作りをするために、時に過激に太ったり反対に激痩せしたりするわけですが、僕はすでに55歳。年齢的には役作りで減量したり増量したりするのもラストチャンスかもしれません。
その意味で、凶悪犯はやってみたい役の一つです。例えば、宇崎竜童さんが演じた「TATTOO〈刺青〉あり」(ATG)での三菱銀行人質事件の犯人の梅川昭美役とか、大地康雄さんが川俣軍司役を演じたドラマ「深川通り魔殺人事件」(テレビ朝日系)は強烈なインパクトがありました。
マネージャー的にはそれに見合ったギャラが出ないのなら、やってほしくないというのもわかります。丸坊主や眉毛を剃ったりすると、すぐに原状回復するわけじゃないので難しいところはあります。でも、誰がなんと言おうと僕はやりたい役のオファーが来たらやりますよ。太ったり痩せたりはもちろん、歯も汚なかったり、ヒゲボーボーでグロテスクになるような役をやってみたい。
今でも時代劇でたまにいるけど、カツラじゃなくて本当に中剃りしてる俳優さん。それがガチンコでフルコンタクトのリアリティを求める上でいちばんいいんですよ。本当の中剃りと作った中剃りを比べると全然違いますからね。
5月末までオンエアされていたドラマ「エラー」(テレ朝系)に転落事故に巻き込まれ、寝たきりになった重体の患者役で出演していました。
劇中、妻役で出演した菊川怜ちゃんが僕の爪を切るシーンがあったんですが、台本には怜ちゃんは僕の指の爪を見て、
「やだ、爪伸びてる」
と言って夫の爪を切ると書いてあるんです。
でも本当は怜ちゃんに、
「原田さん、寝たきりなのに爪伸びてない」
と言われてしまいました。まさに “エラー”ですね。
さらに娘役の北里琉ちゃんとのシーンでは、
「パパ、鼻毛が伸びてるよ」
と言われましたが、僕の鼻毛は抜くほど伸びていなかったわけです。実際には鼻毛を抜くわけではなく、鼻毛を抜くフリをしました。
「役作りがなってなくて、もーし訳ございません!」
爪も鼻毛もフルコンタクトではなくノーコンタクト。令和のドラマは可愛いもんですね。
かつて松田優作さんが映画「野獣死すべし」(東映)の撮影に向けて10キロ以上減量し、奥歯を4本抜いたという伝説があります。さらに、優作さんは「できれば骨を削って背を低くしたかった」と語っていたとか。この変身願望は究極ですよね。僕もいつかこういう痺れる役をやってみたい。違う自分になりたい、自分を見てもらいたいですね。
コンプラ重視の今の時代、テレビドラマも製作委員会方式の映画も厳しいかもしれないけど、タオルで前を隠さず裸で温泉番組に出ている「原田龍二だから許される」の精神で企画を通してください。それはある意味「勝新だから許される」と一緒のハズです。1度ぐらいはそういった問題作となる作品に出てみたい。
映画監督、ドラマのプロデューサー、ディレクターのみなさんからのオファーをお待ちしております。
原田龍二(はらだ・りゅうじ)1970年生まれ。東京都出身。92年ドラマ「キライじゃないぜ」で俳優デビュー。「水戸黄門」「相棒」シリーズなど出演多数。温泉バラエティ「湯一無二」(MX)のほかユーチューブ「ニンゲンTV」ではゴーストハンターとしても活躍中
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