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記事全文を読む→紅白歌合戦“ドラマチック歌姫”の60年史!【<93年第44回>「男」久宝留理子】
93年、宝石のCMソング「男」が大ヒットし、みごと、紅白初出場を果たした久宝留理子(46)。時価3億円の豪華衣装をまとった緊張のステージを告白!
「♪Ai Ai Ai Ai 愛してると」というサビが強烈に印象的な「男」は、カメリアダイヤモンドのCM曲。それだけに、スポンサーが用意した久宝のアクセサリーは、ダイヤモンドのティアラや指輪など、総額3億円と言われて話題を呼んだ。
「やっぱり重いんですよ、本物は。警備の人がしっかりとガードしてくれましたよ、宝石を(笑)。それと、白い手袋をした専門家の人もついてくれましたね。衣装に緊張したか? いや、うれしかったですね。だって女性として高価なものを身につけるのは、うれしいじゃないですか」
そう笑う久宝だが、ただ一つだけ気になることがあったという。
「当時、小林幸子さんが豪華な衣装で毎年出ていらっしゃったので、袖でお目にかかった時に、何となく謝っておいたほうがいいのかなと(笑)。それで『(初出場で)すみません』って謝ったんです。小林さんは優しく、『いいのよ、いいのよ、そういう子が出てきてくれなくっちゃ』とおっしゃってくださって。それをすごく覚えています」
ベテラン歌手ならではの初出場歌手への気遣いであるが、そこは紅白である。本業である歌唱自体へのプレッシャーも並大抵ではなかった。
「私は紅組のトップバッターだった。白組がやはり初出場のX JAPAN。この年は紅組が先攻だったから、ホントの意味での一番手なんです。オープニングセレモニーのあと、私だけ残されて‥‥。その緊張はすごかったですね。何といっても生ですし、最初の私がコケたらシャレにならないじゃないですか」
そんな彼女が、緊張を少しでも解きほぐすためにやったのが、実にクラシックな方法だった。
「歌い出しの『何くわぬ顔して』を手のひらに書きました。ポーンと真っ白になるのがいちばん怖いですからね。司会者の方が自分を紹介してくれている間、何度も見て口の中で復唱して‥‥。アタマさえ出れば何とかなるだろう、と。でも画面には字幕も出ますから、歌詞を間違うわけにはいかないんですけどね。あとで手のひらの歌詞を見たら、しっかり汗でにじんでいました(笑)」
まさに大舞台の上にいた人間だけがわかる臨場感だ。その他にも、「同じ初出場組の天童よしみさんとは関西出身つながりでお話をさせていただいた記憶がありますが、あとは誰としゃべったかもまったく覚えていない」とも言う。
そんな思い出深い紅白初出場であるが、その価値は十二分にあったようだ。
「おじいちゃんから子供まで観る番組ですからね。スタッフ間では、『男』をこう売っていこうという戦略があったので、紅白出場は何よりも達成感が大きかったです。デビューから3年たっていたし、地元の神戸ではメディア出演が少ないと『何してるの?』みたいな感じになっていた。私、小さな頃からいつも家で歌っていたので、近所の人にうるさいと言われたこともあったみたいで。でも、紅白に出たら、『やっぱりそこまでいくと思ってたわ、上手やったもん』って(笑)」
典型的なエピソードではあるが、これも紅白ならでは。今も久宝は、紅白と「男」には感謝の念が強いという。
「この間、音楽番組で(嵐の)櫻井翔くんに『男』をよく聴いていました! と言われて。私の娘が櫻井くんのファンなので、いっそううれしかったですね」
彼女のパワフルな初紅白が、名曲が歌い継がれる要因になったことは間違いあるまい。
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