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記事全文を読む→秋津壽男“どっち?”の健康学「“うがい”と“手洗い”の予防効果に大差あり “水で擦って流す”ことで細菌を除去せよ!」
働き盛りの世代にとって風邪やインフルエンザは大敵ですが、今回は予防についてお話しします。
そこで質問です。風邪の予防で「うがい薬でのうがい」と「石鹸での手洗い」は、どちらのほうがより効果があるでしょうか?
多くの方は「口腔とのどを経由して感染する病気だから、洗浄・殺菌すればいいに違いない」と、うがい薬で風邪対策は万全と勘違いしています。
実際、のどの痛みや違和感をうがい薬の爽快感で紛らわせる効果はありますが、予防策としては適切とは言えません。研究結果でも「水うがい」「うがい薬でのうがい」「何もしない」という3つの予防策を試してみたところ、うがい薬の効果はほとんどないことも証明されています。あくまでも気分転換の一環であると割り切ってください。
また、うがい薬には殺菌効果がある商品もありますが、口の中には、善玉菌と悪玉菌が混じっており、悪玉菌だけでなく、善玉菌まで殺菌してしまうおそれがあります。
まず、うがいは水で十分と覚えておいてください。そのうえで、口内環境を損なうことなく、より予防効果を求めるのであれば、塩水をオススメします。塩の濃度は涙や鼻水と同じぐらいの塩っ辛さであれば十分ですので、ひとつまみの塩分を水に入れてください。
さらに塩水以上にいいのが「お茶うがい」です。お茶の中に入っているカテキンには抗菌力があります。また、沸騰させたお湯を注ぎますので、お茶の中に雑菌がほとんどありません。出がらしのお茶にひとつまみの塩を入れた「塩番茶うがい」だと、効果も増します。
お茶の殺菌効果は、うがいに限らず、飲むだけでも期待できます。1杯のお茶を20~30回かけてチビチビ飲むように、お茶で口や口内を「濡らす」のも予防効果は抜群です。医師の中には「患者さんを一人診るごとにお茶を舐める」ことを風邪の予防策にしている人もいるほどで、ペットボトルでお茶を持ち歩き、マメに口腔内を濡らすのは効果があります。
まとめますと、効果のある順番に「お茶・塩水・水・うがい薬」となります。
一方の手洗いですが、手のひらを顕微鏡で見ると驚くほどさまざまな細菌が確認できます。当然、エレベーターのボタンやつり革、ドアノブなどが媒介となり、風邪やインフルエンザに感染するリスクは高く、うがいよりも手洗いが大事なのは言うまでもありません。
手洗いのコツは「とにかくこすって流す」こと。細菌は皮膚の表面にポツンとついているのではなく、アカや脂とともにこびりついており、水道から出た水流で「時間をかけて洗う」ほうが除菌効果は高くなります。もちろん石鹸をつけて入念に洗い流し、うがいもすれば予防効果は格段に高まります。
インフルエンザはくしゃみや咳で飛んだウイルスが体に入って感染するため、マスクも予防効果が大きいと思われていますが、マスクの隙間から入り込むケースもあり、完全なウイルスの遮断はできません。
むしろ、自分の咳やくしゃみの飛沫をブロックする効果は大きく、どちらかといえば「人にうつさないエチケット」として有効です。
前回お話ししたとおり、インフルエンザウイルスは湿度60%で死滅(失活)しますので、マスクをしていれば、自分の呼吸に含まれる水分でマスク内の湿度は高くなり、インフルエンザ対策にもなります。吸う息が常に湿るようなウエットタイプのマスクにすると、予防効果はより高まるでしょう。室内ならば、加湿器をつけておくとさらにいいでしょう。
■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。
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