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記事全文を読む→秋津壽男“どっち?”の健康学「健康維持のためのウオーキング“速度アップ=リスク高”だと自覚せよ!」
暑い日が続きます。サラリーマンなら、朝の通勤時間帯は駅まで急ぐ人も少なくありません。夏バテ防止のためにも、今の時期はできるかぎり時間に余裕を持ちたいものです。
さて、今週は「歩き方」について考えてみましょう。ウオーキングは健康維持にベストな方法ですが、速く歩くのとゆっくり歩くのとでは、どちらがより健康的でしょうか。
速歩やインターバル歩行など、スポーツ的な歩き方は体力の増進につながります。しかし無理して速く歩いた結果、転んでケガをするようでは本末転倒です。
遅く歩けば体力増進の度合いは小さいものの、ケガの確率は小さくなります。健康のために歩く場合、長く続けることが肝心で、そう考えると「ゆっくり歩くほうが健康的」と言えます。
冒頭で申したとおり、人は通勤時に速く歩き、休日にはゆっくりと歩く人が多いと言えます。これは、通勤時は頭がオンになっており、休日はオフになっているからです。そう考えると「速く歩いている時はリラックスしていない」状況となります。
忙しい人が速く歩くのはしかたない面もありますが、歩く速度が速いほど事故の確率を高めます。若いサラリーマンでも速歩きでケガをすることがあるのですから、高齢者となればなおさらオススメできません。
また、同じウオーキングでも「健康のためのウオーキング」と「運動のためのウオーキング」があります。
最近は、腕を大きく振って歩くエクササイズウオーキングがはやっています。これは通常のウオーキングより歩幅を広く取り、歩行時のキック力を高めることで運動負荷を高めます。多くはダイエット目的であり、歩いているうちに息が上がり無酸素状態となります。
これは、医者の立場として、最もオススメできないスポーツであるランニングの領域に近づいてきます。
そもそもランニング自体、中毒性があり、長時間走り続けると気分が高揚して多幸感に包まれます。いわゆるランニングハイです。その結果、雨の中や寒い中で走り続けてしまい、突然死のリスクを高めます。
以前もお話ししましたが、運動には有酸素運動と無酸素運動があります。有酸素運動とは、文字どおり「酸素を必要とする運動」で、体内に取り込んだ酸素により糖質や脂肪を燃焼させてエネルギーに変えます。ウオーキングやジョギング、ランニング、サイクリング、水泳などは有酸素運動で、いずれも下半身を使うため老化防止にも役立ちます。
一方、無酸素運動とは「酸素を必要としない運動」で、100メートルダッシュのように瞬間的には呼吸をしない状況が生まれます。つまり、速く歩くほど無酸素運動に近づき、健康維持の目的から外れてしまうのです。
以上を踏まえると、健康的な歩き方とは「会話ができるぐらいの速度でゆっくり歩く」こととなります。景観のいい場所や歴史的な街を、散歩するような感覚でゆっくり歩きましょう。その際、友人と一緒に歩けばコミュニケーションが取れ、ストレスが解消できるなど一石三鳥となります。
歩く速度の目安としては時速2~4キロほどが健康的で、6キロとなるとエクササイズに近くなります。ちなみに「駅から徒歩1分」といった不動産表示は約80~85メートルとなりますが、この速さは平均的な徒歩の速度です。
■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。
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