社会

震度7「熊本地震」で専門家が重大警告「“日向灘沖⇒南海トラフ玉突き大地震”に注意が必要」

20160428d

 4月14日午後9時26分頃、熊本県で震度7の激しい揺れを観測する地震が発生した。専門家は活断層による直下型地震の可能性が高いと見ているが、これがさらなる大地震の呼び水になったというのだ。

 地元記者が言う。

「震度7を観測した益城町(ましきまち)付近は2つの活断層が交わっており、地震が起きやすい場所として知られている。政府の地震調査委員会の長期評価によると、熊本県中部では布田川(ふたがわ)断層帯と日奈久(ひなぐ)断層帯がそれで、いずれもほぼ北東から南西方向に走っており、益城町付近で交差しています」

 実は、週刊アサヒ芸能では13年2月21日号で〈「M8九州大地震が近い」戦慄データ続出の不気味〉と題して報道。九州大地震火山観測研究センター・清水洋所長がこう「警告」を発していた。

「九州中部地方の断層は、一気に割れずに細かく砕けていくのが特徴。最初の揺れよりも小さい規模の余震がしばらく続く可能性が高い。布田川・日奈久断層帯は、もし一気に動くと、九州では経験したことがないM7.5~8クラスの大きな地震を発生させる潜在力を持っている」

 不幸にして予測が現実になった形だが、今回の震度7の地震規模はM6.5と、阪神大震災(M7.3)を下回った。

「震源が浅いので、狭い地域で大きく揺れたというのが専門家の見方です」(前出・地元記者)

 震源の真上付近では強い揺れに見舞われ、局所的に震度7になったと見られる。気象庁地震火山部・青木元地震津波監視課長は記者会見で、

「たいへん強い揺れが発生し、被害も発生している。1週間程度は余震が発生するおそれがある」

 と語ったが、実際、14日だけでも震度1以上の有感地震が40回、最大震度6弱が1回、同5弱が1回、同4が9回と続いた。日付が変わり15日になっても、6強、5弱と揺れている。15日朝6時現在の余震は103回を数えた。琉球大理学部の木村政昭名誉教授(海洋地質学)が言う。

「今回の地震は活断層が動いた結果ですが、それには原因があると見なければならないと思います。すなわち、日向灘沖にある地震の空白域です。それが布田川断層帯と日奈久断層帯を刺激して、今回の地震を起こしたと考えられる」

 空白域とは、これから地震が起きる可能性のある、緊張状態にある場所のことを言う。

 さて、近畿から四国の北部を横切り、九州の熊本県に至る中央構造線断層帯はM6以上の大規模地震のリスクを内包する大活断層帯と言われる。地震学者である武蔵野学院大の島村英紀特任教授が指摘する。

「記録には残っていませんが、中央構造線断層帯はこれまでもたびたび、大きな地震を起こしている。今回のものは日本人が初めて目にした中央構造線の地震です。背景には、南海トラフのプレッシャーも関係あると考えられる。しかも、中央構造線断層帯は『3.11』以降、かなりエネルギーがたまった状態になっているはずです」

 前出の木村名誉教授も、

「日向灘沖は南海トラフの西端にあたり、相当なエネルギーがたまっているはずです」

 過去、南海トラフでは複数の地震が連動して起きている事実がある。すなわち、今回の熊本地震は、これをきっかけに起こるであろう日向灘沖地震が南海トラフ地震と連動する「玉突き大地震」の前兆だというのだ。

 震度7の地震から1日余りが経過した4月16日未明になって、今度は熊本市、菊池市、宇土市、宇城市などで震度6強でM7.3の地震が発生。気象庁は14日の地震は、この地震の「前震」に当たるという見解を示した。

 たまりにたまった「エネルギー」が爆発するのはいつなのか──。

カテゴリー: 社会   タグ: , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
JR東日本に続いて西と四国も!「列車内映像」使用NG拡大で「バスVS鉄道旅」番組はもう作れなくなる
2
【ボクシング】井上尚弥「3階級4団体統一は可能なのか」に畑山隆則の見解は「ヤバイんじゃないか」
3
舟木一夫「2年待ってくれと息子と約束した」/テリー伊藤対談(3)
4
大谷翔平が「嘘つき」と断言した元通訳・水原一平の潜伏先は「ギャンブル中毒の矯正施設」か
5
リストラされる過去の遺物「芸能レポーター」井上公造が「じゅん散歩」に映り込んだのは本当に偶然なのか