エンタメ
Posted on 2012年06月15日 11:00

死んでも「アイツ」に勝ちたかった② 長州力 (1)

2012年06月15日 11:00

 アマレスでは輝かしい実績を残したエリートが、プロレスの世界ではスターレスラーの引き立て役でしかなかった。しかしあの日、ついにジェラシーが爆発。人生を一転させるほどの行動を起こした長州が、藤波と繰り広げた「名勝負数え唄」の真実を激白する。

何にも劣るものはなかった

「藤波、俺はお前のかませ犬じゃないぞ!」
 藤波さんに対して僕が言ったというんだけど、この言葉が有名になりすぎて、独り歩きしてるよね。なぜあの言葉が出たのか、よく聞かれるけど、人間、パッとキレた時にはそういう言葉を吐くもんですよ。
 僕の田舎(山口県周南市)では年に何回か、地回りの人たちが闘犬をやっていましてね。最近はどうか知りませんが、子供の頃、よく観に行ったもんですよ。
 闘う犬が檻(リング)に放り込まれる前に、スパーリングとして、口を縛られたいわゆる「かませ犬」をあてがわれるわけ。これから闘う犬に、無抵抗な犬をかませて自信を持たすためでしょうね。
 そんなかまれるだけの犬を見て、子供心に「かわいそうだな」と思ってましたね。その記憶が試合中にフラッシュバックして出てきたんでしょう。前もって考えたセリフなんかじゃないんですよ(笑)。

 1982年10月8日、後楽園ホール。長州力(60)は新日本プロレスのエース候補、藤波辰爾(58)と同じタッグチームで試合に臨んでいた。アマレスでミュンヘン五輪代表という実績を誇りながら、この頃の長州は「素質はありながらも、うだつが上がらない地味な若手レスラーの一人」にすぎなかったのである。
 このタッグマッチは、長州の海外遠征からの凱旋帰国試合だったが、注目の的はスターレスラーの先輩・藤波であり、長州はあくまでも引き立て役だった。こんな状況にイラだっていた長州は、試合中にもかかわらずパートナーの藤波に反旗を翻すと、冒頭のプロレス史に残る名言とともに宣戦布告。「革命戦士」の誕生であった。

 藤波さんへの「反抗」っていう意識はないんですよ。藤波さんと自分を比べて、何にも劣るものはないと思ってましたから。「藤波さんと同じことをやれなくはない」という気持ちは常に持っていたね、うん。自分なりの個性で感情が爆発した、一種のアピールですよ。ただ、自分の体からああいう感情が湧き出るっていうのは、あの時が初めてでしたね。それがうまい具合に、お客さんや視聴者の皆さんに伝わったということです。まあ、スタンドプレーですから、一歩間違えれば、とんでもないことでしたけど。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    エンタメ
    2026年07月12日 09:00

    自らの体をガス状に変化させ、密室の壁をスリ抜けて犯行を繰り返す。そんな怪人出現の恐怖を描く映画「ガス人間」が現在、ネットフリックスで配信されている。これは1960年公開の東宝特撮映画「ガス人間㐧1号」のリブートだが、本作では小栗旬、蒼井優ら...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    スポーツ
    2026年07月15日 11:30

    もはや「終わった人」に成り下がってしまった。7月11日の巨人戦(横浜)で今季初先発登板したDeNA・藤浪晋太郎だったが、やはり「悪癖」が出た。3回3安打3失点5四球で降板。相変わらずストライクが入らない状況に相川亮二監督は、「ストライクを取...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    スポーツ
    2026年07月16日 11:30

    現地時間7月15日のメジャーリーグ・オールスター戦前に、レッドカーペットに登場したドジャース・山本由伸とホワイトソックス・村上宗隆は、実に対照的だった。山本は黒のタキシードにクロスオーバータイ、腰に真珠のパンツチェーン、左腕にはロレックスの...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/7/7発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク